ウクライナにロシアが侵攻してから1年半以上経過した。
その中で、ロシアの方が劣勢だという報道を真に受けて、近いうちにロシア軍が敗走して、ロシア国内は混乱に陥るというような見方もあるようだ。
そして、一部の人たちがつぶやいているのだが、「その混乱に乗じて、北方四島をその機会に奪還してしまえばいい」というような話が出てきている。
こういう話は現実には全くあり得ない話だと思う。そしてこの考え方は危険だ。
そもそも、自衛隊は軍備はしているが、相手国に侵攻するというようなことを想定した軍隊ではない。もちろん、それなりの軍備を持っているから、侵攻に使えるものもあるだろうが。
四島に配備されているロシア軍が少ないと言っても、日本からの侵攻には抵抗して戦うかもしれない。その時に自衛隊にも犠牲者がかなりの数出る可能性もある。実際に戦争になったときどういう対応をするのかというための法律が日本にはできていない。例えば、自衛隊員が死傷したときの保障などに関して、ほとんど法律が制定されていないと思う。そんな状況で、自衛隊員が犠牲を払って侵攻していくのか?奪還を叫んでいる人は、自分たちは四島に行かないと確信しているので、平気で言えるのでは?
四島奪還を本当にやるとしたら、相当作戦をねってかからないと、だめだと思う。たかが四島かも知れないが、それでもそれを行うということは、困難が伴う。そもそも、自衛隊はそういうための訓練を行っていない。なんの準備もなしに侵攻するなどというのは、無謀だ。
私もよくわかっていないのだが、北方四島を奪還するということを決定するのか?国会の承認は必要なのか?首相が決断すればいいのか?多分、他国を攻めるというたぐいのための法律は整っていないはずだ。
四島にあるロシアの兵力はどのくらいあるので、日本が侵攻した場合にどのくらいの時間がかかるのか?侵攻に必要な兵力はいくらくらい必要か?侵攻が成功したあと、どういう対応をしないといけないか?ロシアが、国内から水爆を搭載したロケットを日本に報復として発射してくる危険はないのか?日本が北方四島を奪還したら、それを理由に中国軍など他国の軍隊がロシア支援という名目で、北方四島に侵攻してくることはないのか?
いろいろ心配したら切りはないが、ともかく、元々日本の領地であると認識している土地でも、自衛隊をだして、奪還するということは、戦争を仕掛けることになるので、よほど慎重にかからないといけない。この認識がない人たちが、日本を牛耳るようになると、いけないように思う。
軍隊の侵攻というような乱暴な方法よりは、むしろ、戦後の経済支援などを含めて、北方四島をお金で買い取るというような平和的なやり方でおこなうのが、成功率は高いのではないか?
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