毎日新聞(11月5日夕刊)の消費減税に関する記事を読み、メディアの報じ方や議論の進め方に強い違和感を覚えました。
記事では「本当に必要ですか?」と問いかけつつ、登場する識者3名(佐藤主光氏、木内登英氏、掛貝祐太氏)は全員が減税に慎重・否定的な立場の人たちばかりです。減税に肯定的な専門家の意見が一人も取り上げられていない構成は、公平性を欠いていると言わざるを得ません。
元内閣参事官の高橋洋一先生の解説なども参考にしながら、この記事の問題点と消費税減税をめぐる疑問について整理してみました。
1. 肯定的な意見を排除した「偏った記事構成」
新聞などの報道は、賛否が分かれるテーマであれば双方の主張を公平に載せるのが大前提のはずです。しかし、今回の記事は減税反対・慎重派の意見だけで埋め尽くされています。物価高で苦しむ家計の実質所得を下支えする効果や、景気刺激策としてのメリットを論じる専門家の声が一切ないのは不自然です。
2. 「選挙の時には黙っていた」野党や反対派の矛盾
石破政権の当時、野党などは物価高対策として消費減税や手厚い給付を訴えていました。ところが、高市政権が実際に減税を進めようとすると、途端に「財源がない」「拙速だ」と反対に回るのは筋が通りません。 また、先に行われた衆議院選挙の際、反対派は減税反対を強く訴えて民意を問うたでしょうか。選挙で減税を掲げた側が国民の信任を得た以上、公約を実行するのは民主主義の基本ルールです。選挙の時は明確に反対しなかったのに、いざ実現しそうになると足を引っ張るのは、有権者への背信ではないでしょうか。
3. OECDなど国際機関の「増税提言」は鵜呑みにできない
記事内では、OECDなどの国際機関が「消費税を引き上げるべき」と提言していることが紹介されています。しかし、こうした国際機関の試算や提言は、財務省からの出向者などの意向が反映されやすく、機械的に「増税による財政再建」を求める傾向があります。 現在の日本は、現行の消費税率のままで社会インフラも制度も問題なく動いています。デフレからようやく抜け出しつつある今の経済環境を無視して、外部機関の「増税ありき」の言葉に従う必要はありません。
4. 「財源問題」のウソ:年々増える税収と予算全体の調整で済む
記事では「財源が示されていない」と批判されていますが、減税による減収分は特別に新しい財源を引っ張ってくる必要はありません。来年度の国家予算全体を編成する中で調整すれば十分に対応できます。 事実として、近年の名目経済成長に伴って日本の税収は年々大きく増加しており、過去最高水準を更新し続けています。これだけの自然増収があれば、減税分を賄う余力は十分にあります。「財源がない」というのは、減税を阻止したい勢力による言い訳にすぎません。
5. 「税率を戻すのが大変」論の自己矛盾
「2年後に1%から8%へ戻すのが大変だ」という指摘もありますが、これは大きな矛盾を抱えています。そもそも現在の各政党や反対派は「8%のままでいい(減税反対)」と主張しているのですから、2年後に8%へ戻す際に反対する理由はないはずです。もし戻すときに反対するなら、「減税のままで良かった」と自分たちの誤りを認めることになります。
6. 消費税は「固定」ではなく、経済情勢で動かすのが世界の常識
高市首相は、消費税率を一度決めたら動かせないものとして固定化するのではなく、その時々の経済状況に応じて柔軟に動かすべきだと考えているのではないでしょうか。 欧米各国の付加価値税(VAT)を見れば、コロナ禍やエネルギー危機などの有事や物価高の際には一時的に税率を引き下げ、景気が落ち着いたら元の水準に戻す機動的な運用が当たり前に行われています。税率を柔軟に動かすことこそが、現代の機動的な経済政策です。
消費税減税は、物価高に直面する国民生活を直接守るための現実的かつ有効な手段です。「財源がない」「戻せない」といったステレオタイプの批判に惑わされず、データに基づいた冷静な議論が行われることを期待します。
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