2026年9月2日水曜日

防衛の足元を見つめ直す――イランとウクライナが示す「守り」の教訓

 本日の毎日新聞朝刊に掲載されたコラム「水説:イラン・ウクライナの教訓」は、非常に興味深い視点を提供していた。従来の同紙の論調とは一線を画し、現実的な視点から日本の防衛力について論じている。

コラムの中で特に印象的だったのは、次の指摘である。

「日本国内の防衛関連施設の安全確保だ。最重要な問題でありながら、軽視されているようにもみえる。」

まさに現在の日本の防衛議論の盲点を端的に突いた言葉といえる。

近年のウクライナ戦争や中東・イランを巡る情勢を見ても、防衛拠点や防衛産業そのものを敵の攻撃からいかに守るか(抗堪性の確保)という視点が欠かせない。日本でも、トンネル掘削や重要施設の地下化によって、装備や生産拠点をミサイル攻撃から防護すべきだという議論が出始めている。

実際、イランが厳しい軍事的圧力に晒されながらもミサイル等の備蓄を維持できている背景には、軍需産業を地下深くに建設し、施設を分散配置している点があると言われる。

それに対し、日本の現状はどうだろうか。スタンドオフミサイルなどの打撃力(攻撃力)の整備に注目が集まる一方、防衛施設や産業基盤の防護は依然として後回しにされているように映る。現在、中国は日本本土を射程に収めるミサイルを1,850発以上保有しており、その増強ペースは衰えていない。一撃で機能不全に陥らないよう、重要拠点の地下化や全国各地への分散配備など、被害を局限化できる体制づくりが急務である。

防衛力を高め、強固な防護・抗堪性を備えることは、単なる攻撃力の強化以上に「攻撃しても無駄だ」と思わせる強力な抑止力につながる。

記事の結びにある通り、まずは自らの「足元の守り」を固める現実的な議論から始めるべきではないだろうか。


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