政治改革の議論が活発化する中で、国会議員の定数削減を巡る議論が再び注目を集めています。日本維新の会などが提案する定数削減は、実際に大阪府や大阪市の議会で実現されており、その流れを国会にも適用すべきだという主張です。
この定数削減の動きに対して、チーム未来代表の安野貴博氏がX(旧Twitter)で反論しています。
安野氏は【議員定数削減のデメリット】という見出しのもと、定数削減は政治の新陳代謝を悪化させ、むしろ議会への信頼度を落とす可能性があると指摘し、以下の3点を主な理由として挙げています。
国会議員の新陳代謝がより悪化する
諸外国と比較して日本は国会議員の数がそもそも少ない
定数削減によって得られるコストメリットは限定的
(詳細は安野氏のXをご覧ください。)デジタルに精通した安野氏らしい、データに基づいた合理的な意見です。
必要なのは「仕事量」に基づく突っ込んだ分析
安野氏の指摘は重要ですが、私としては、この議論を一歩進めた「適正値」を求める分析が必要ではないかと感じました。
例えば、「新陳代謝の悪化」という点について考えてみましょう。議員数が減少すると新規参入の可能性が減ると推測されますが、具体的に「どのくらいの人数」まで減らすと、「どの程度」新陳代謝が悪化するのか、その具体的な数値的根拠がまだ見えてきません。
また、「諸外国との比較」についても同様です。他国がその議員数を「どのような理由」で決定しているのか、つまり、単に人口比なのか、それとも議会や行政をチェックするために必要な「職務量」を根拠にしているのかが不明確です。
もし「コスト削減」のみが目的であれば、確かに人数を減らせば良いのですが、本来の目的は「最も効率的で機能する議会」を作ることにあるはずです。
議員数の「適正値」を決めるために検討すべき要素
議員定数の適正値を検討するためには、感情論や単純なコスト論ではなく、まず議員の**「仕事」を数値化**し、科学的に議論を進めるべきではないでしょうか。
具体的に、以下の要素を検討し、定量化する必要があります。
議会運営に必要な職務量: 各議員が委員会活動や法案審議、行政監視のために行っている仕事の内容と、それに必要な専門人材(秘書・スタッフ含む)の人数。
地域代表の効率性: 選挙区の有権者の意見を効率的に吸い上げ、それを国会に反映させるために、議員一人あたりが担当できる限界人数はどのくらいか。
地方議会との役割分担: 県議会などの地方議会との役割の違いを明確にし、国会としての機能(外交・安全保障など)を十全に果たすために必要な人数。
新陳代謝の維持ライン: 若手や新規の政治家が参入し、政治に新しい風を送り込むために、最低限維持すべき定数。
これらの要素をデータに基づき多角的に分析することで、「最も効率的に議会運営ができる人数」という適正な数字を導き出すことができるのではないでしょうか。
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