先日、CNNが公開した「深刻な不足:米国はイラン戦争で主要ミサイルのほぼ半分を使用した」というYouTube動画を視聴しました。この動画は、イランとの紛争により米国の主要ミサイル在庫が著しく減少しているという、極めて危機的な現状を報じています。
戦略国際問題研究所(CSIS)の調査によれば、わずか7週間ほどの戦闘で、米国は以下の主要兵器を大幅に消費したといいます。
● 精密誘導ミサイル: 在庫の少なくとも 45% を消費
● 弾道ミサイル迎撃用ミサイル: 在庫の 50% を消費
● パトリオット防空ミサイル: 在庫の約 50% を消費
● トマホーク(巡航ミサイル): 在庫の約 30% を消費
こうした兵器の急激な枯渇は、以下の3つの深刻な問題を浮き彫りにしています。
1. 補充の遅れと将来的なリスク
高度な兵器の補充には1年から6年という長い年月を要します。短期間での回復は困難であり、もし数年以内に中国やロシアといった大国との紛争が発生すれば、米国が「弾切れ」を起こす現実的なリスクが生じています。
2. 軍事予算の歪んだ配分
予算がF-35戦闘機や空母といった「高額な最新装備」に優先的に充てられる一方、現場で必要な弾薬や、兵舎の環境改善(カビ除去や防空壕の整備)といった「兵站(ロジスティクス)」が後回しにされている現状が批判されています。
3. コストの非対称性
イラン側が比較的安価なドローンやミサイルで攻撃を仕掛けるのに対し、米国はそれらを迎撃するために一発数億円もの高価なミサイルを消費しています。この経済的・戦略的な効率の悪さは看過できません。
弾薬不足は、現在進行中のウクライナ紛争でもすでに現実のものとなっています。米国が支援先や自国の紛争地へ十分な兵器を供給できなくなれば、戦況の悪化は免れません。これは、安全保障の多くを米国に依存している日本にとっても、決して他人事ではない大きな問題です。
同様の予算配分の問題は、日本にも存在します。古くから「自衛隊の演習用の弾(たま)が足りない」という話がありますが、実弾を節約した演習では、実際の経験を積むことに限界があります。さらに、自衛隊の主要兵器の多くが米国製であることを考えると、米国の在庫枯渇は直ちに日本の弾薬不足へと直結しかねません。
これまでの兵器開発は「大型化・高額化」が主流でしたが、今やドローンの台頭により、その方向性は劇的に変わりつつあります。これからはドローンやロボットなど、人の犠牲を伴わず、かつ安価で効果的な兵器が戦心の中心となる「新しい戦争」の時代です。
ウクライナやイランの戦況を見れば、すでにその時代に突入しているのは明らかです。防衛省もドローン、自律型水中航走体(UUV)、AI活用の研究を急いでいますが、日本の官民一体となった「安価で大量のドローン」を供給できる産業構造の構築はまだ道半ばです。日本もこの急速な変化に対応するためには、さらなる抜本的な取り組みが必要ではないでしょうか。

0 件のコメント:
コメントを投稿