今回の衆議院選挙は、自民党が大敗北を喫した選挙になった。政治とカネ問題が大きく当落を左右したようだ。
私が注目したのは、国民民主党の躍進である。自民党へは投票したくないが、と言って、立憲民主党には投票したくないと考える人が、国民民主党に投票したと考えられる。それが、国民民主党が7名の議席から4倍の28名の議席を獲得した大きな要因だとマスコミなどは説明している。
ただ、私は一部のマスコミもコメントとして入れていた、国民民主党のYoutubeやXなどを使ったネット戦略に注目している。この戦略を取り入れるにあたって、国民民主党の玉木代表は、東京都知事選で名前を売り出した石丸伸二氏にYoutubeで会談をしている。そして、石丸伸二氏の影響を大きく受けた。その時に影響を受けたというわけでなく、東京都知事選を見て石丸氏のとった戦術を使いたいと思ったのだろう。
その会議以降、玉木氏と幹事長の棒葉氏は、お互い競うようにYoutubeで選挙戦を大きく展開した。Youtubeでの寄付金も3千万円以上集めたようだ。Youtubeでの視聴者の数も最終的にはライブで2万人以上を集めている。
この作戦は大いに当たり、特に若者の人気をつかんだようだ。ただ、若者だけでなく、50歳台、60歳台の中年の世代でも、石丸氏同様に人気を取ったように感じる。
こうしたネット戦略は、日本保守党などもやったのだが、国民民主党の取り掛かり方は他の取り組みと比較すると、群を超えている。
選挙の最終日には、東京駅前で集まった多数の人の前で、国民民主党の選挙戦最後の集会を行っている。そして、その集会には呼んでもいなかった石丸伸二氏が登場しており、応援演説はしなかったが、挨拶も行っている。まさに、石丸伸二劇場だ。
今回国民民主党が取った戦略は、他の党でも研究されると思われるので、こうした戦略を取って来る党が増えてくると思う。こういう状況を考えると、ますますテレビや新聞などの従来のマスコミの情報を頼らない選挙活動が活発化してくるだろう。
この動きは、将来の選挙にも大きく影響してくると思う。各党の宣伝は、テレビや深部よりもネットからという流れを大きくしていくはずだ。