林房雄氏の著書『大東亜戦争肯定論』を読み終えました。
以前から「なぜ日本は先の戦争を始めたのか?」という疑問を抱いており、関連する書籍を読み進めていく中で出会ったのが本書でした。
Wikipediaの解説によると、林氏は大東亜戦争の起点について、外国艦船が日本近海に頻繁に出没し始めた弘化2年(1845年)にあるとしています。 そして、西欧勢力の東進に対する反撃として展開された「大東亜百年戦争」の本質は、アジアの解放戦争であったと主張しています。
また林氏は、欧米列強の強力な圧力に対し、日本は戦い続ける以外に道はなかったと述べています。 もし戦わなければ、他のアジア諸国やインドのように、日本も欧米の植民地になっていただろうという指摘です。
本書には、当時すでに強国であった米国に対し、負ける可能性が高いと知りつつも、なぜあえて開戦に踏み切ったのかという謎に迫る説明がありました。 世間で言われるように「当時の指導者層が愚かだったから無謀な戦争に走った」というような単純な話ではない、ということがよく分かりました。 明治維新、あるいはそれ以前から、日本は常に外国の脅威にさらされていました。 開国と同時に不平等条約を突きつけられた政府は、その危機感を痛切に感じていたはずです。 その危機意識こそが、大東亜戦争へと至るまで連綿と受け継がれてきた考え方だったのだと感じます。
林氏の主張には非常に参考になる点もありましたが、それ以上に、幕末から始まる歴史が事実に基づいて詳細に記述されている点が良かったです。 もちろん、記述内容に異論がある部分もあるかもしれませんが、その点は読者が判断すればよいことだと思います。
林氏は、最終章である「第十七章 大東亜戦争開戦――――破れて悔いなき戦争」において、それまでの主張をまとめ、自身の真意を次のように吐露しています。
『アメリカは「白い太平洋」のために戦い、日本は「黄色い大東亜共栄圏」のために戦った。だから、アメリカにとっては「太平洋戦争」であり、日本にとってはどこまでも「大東亜戦争」であった。共に百年の歳月を通じて戦い、アメリカは勝利し日本は敗北したが、両者の「理想」は共に実現されず、太平洋もアジアもそれぞれの民族の手に返却された奇妙な戦争であった。』
『これが真相である。歴史の真相は時勢というものの中に埋没し終るものもあるが、時間がたつにつれて、自然に現れることもあり、また学者たちの努力によって発掘され万人の目にふれるようになることもある。(中略)日米開戦の裏面には、まだ私たちの知らぬ多くの「真相」が埋没されているであろう。』
大東亜戦争の終結からすでに80年が経過しましたが、私の抱く疑問の答えに迫る資料は、これからも現れるのではないかと思っています。
それらを通じて、次の戦争を起こさないためにはどうすべきかを、これからも考えていかなければならない。そう強く感じた一冊でした。
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