2019年5月21日火曜日

安倍政権の米国との貿易交渉がなっていない

安倍外交はほとんどといい結果を残せていない。

北朝鮮の拉致被害者対策にしても全くやっていないのと同じである。今までは強弁姿勢で押していたのを、条件をつけずに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に会うと言い出した。しかし、北朝鮮に行くのは怖いのか、行くのなら早く行けば良いのだが、全く進展が見えない。

ロシアとは北方領土交渉があるのだが、プーチンに言いくるめられたのか、全く返還のへの字も出てこない。日本が軍事的にはほとんど米国の占領下に置かれているのと同じ状況下で、領土問題は解決するのは容易ではない。安倍政権のトランプ大統領べったりの姿勢では、領土返還などロシアとしては考えられないのだろう。返還した土地にミサイルなどを持ち込まれたのではたままったものではないと思っているはずである。いずれにせよ、格好はつけて交渉はするものの全く前に進まない状況だ。

中国とは「一帯一路への協力」などと言い出す始末である。協力関係など日本にとっては全くメリットのないものであるばかりでなく、中国の世界戦略に協力するだけのものだ。

一つだけ、これは良い判断だと考えるのは、TPP11の成立だろう。米国がTPPから一方的に離脱したのにもかかわらず、残りの関係国と一緒になってTPP11を成立させた。私は米国が抜けてよかったと思っているくらいだ。米国が抜けても、日本はこのTPP11の貿易圏を生かして、日本独自の経済圏を作っていくくらいの意気込みで頑張るべきと考えている。

しかし、ここに来て、米国との個別交渉でTPPで米国と成立していた内容と比較すると完全譲歩の形で貿易交渉が進んでいるように見える。

まず、米国は日本の鉄鋼・アルミ製品に一方的に関税を上乗せしたのだが、結局その対抗策を示すことなく、米国の言いなりになっている。ヨーロッパなどはWTOに提訴するとともに、米国産のウィスキーやオートバイなどに関税をかけたのだが。

昨年の日米首脳会議では日本側はTPP水準を超える農産物関税引き下げはしないという意向を表明した。むしろ、TPPから勝手に離脱した米国が引くべきなのに、すでに交渉を開始する前にTPPの状態に引いてしまっている。この農産物関税引き下げに関しては、TPPでの他の産業の条件がついているから(米国の自動車関税撤廃など)なのだが、それが無視されてしまっている。相手がちゃぶ台返しをしたのに、先方の条件が良いところだけを先取りされるような話を自分からしているのだ。

この他にトランプ大統領の要請により、「米国の自動車産業の製造及び雇用の増加を目指す」などという文言が、日米共同声明に書き込まれている。大量の戦闘機の購入なども「なんで?」と思わせる交渉結果だ。

この分で行くと、今後の日米の交渉では、日本がTPPで米国との間で決めていたもろもろのことが、すべて米国に譲歩する形で決着していくのではないかと考えざるを得ない。先行きが心配である。



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