2021年12月31日金曜日

フィンランド女性の「枕草子」の解説本が面白い

 「清少納言を求めて、フィンランドから京都へ」という本を読んだ。フィンランド人のアラフォーが、日本に来て、枕草子の著者、清少納言を訪ねて回る日記のようなものだ。




内容は、ものすごくくだけて書かれているようにみえるのだが、その内容は枕草子とその著者の清少納言に関して、新しい切り口から解説しているように思える。


特に清少納言の人となりや、枕草子はどういうようにしてできたのかなど、今まで言われていた話と違った面から、するどくツッコミを入れていて面白い。


500ページほどもある本なので、かなり読みごたえのあるものなのだが、ついつい引き込まれて読んでしまった。そして、もう一度高校時代に読んだことのある枕草子を通しで読んでみたいと思った。


枕草子といえば源氏物語という発想になるが、源氏物語も所々で出てくる。これらの書籍は平安時代に書かれたものである。世界を見回しても、この時代に、しかも女性が書いたものというのは見つかっていない。日本だけの財産である。


どうして、こういうものを女性が書いたのか。それこそ謎なのだ。そこには平安時代における貴族の生活というものをしっかり把握して、謎を解く必要がある。この本は、この点について鋭く切り込んでいる。


この本を読んで、枕草子や源氏物語が外国でも翻訳されて読まれているというのに驚いた。そして、その内容を興味を持って読んでいるというのにも驚きだ。外国の人にはこういう昔の本はあまり理解できないのではないかと思っていたが、それは間違っていた。我々日本人よりも理解して読んでいる人も多いのではないかと思う。


日本に春と秋、それぞれ3ヶ月京都で暮らして、昔の京都に思いを馳せている。暑い夏と寒い冬は嫌だというのもフィンランド人らしい。最近、京都の名所を時々訪れている私だが、やはり、平安時代を語るには、京都に暮らしてその雰囲気を肌で感じるということは大切だと思う。我々日本人でも、京都をよく理解していると言っても、数回訪問しただけという人が大半だろう。京都は奥が深い。


多分、元の文章はフィンランド語か何かで書かれているはずで、読む人はフィンランド人だ。そういう人たちは、枕草子など全く知らないわけで、その人達に興味が湧くように枕草子を紹介しているのがよく分かる。この本を読んだら、枕草子を翻訳本でいいから読んでみようとフィンランド人でも思うのではないか。




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