ニュースによると、「ウクライナ軍が8月6日から国境にあるロシア西部のクルスク州に千人規模の大規模な越境攻撃を始めましたとある。」
そして、その攻撃は17日現在も続いており、その成果が目を見張る物があると日本のメディアは伝えている。いずれの記事も、放送も、あたかも、ウクライナがこの戦争でロシアに勝利するような論調である。
しかし、本当にそうなのだろうか。
実は、数日前の英国BBC放送のWebサイトや、ロイターのサイトなどでは、全く論調が異なる。
いずれも、このウクライナのロシア侵攻は一時的なものであって、長続きはしないというものだ。
実際、ウクライナのゼレンスキー大統領も、ウクライナ軍がどんどんロシアに入り込んでいくと言っていない。限定的な侵攻なのだ。
海外のメディアでは、このウクライナの侵攻は、今後のロシアとの停戦交渉で有利に話を進めるためのものだという。そろそろ、ウクライナも戦闘が続けられなくなってきており、ロシアとの戦争終結についての交渉を開始したいのだ。
実際、ウクライナはこれ以上長い戦闘が続くと、ますます戦闘員も減って、戦えなくなってくる。いくら、新しい戦車や飛行機が来ようとも、それを運転する戦闘員がいなくなったら、終わりだ。実際、戦闘機が配備されても、それを操縦する要員を教育するのに、何ヶ月もかかる。戦車にしても同じだ。教育できる兵隊がいなくなってしまう。
ウクライナがロシアに深く侵攻すると、それらの地域を占領しておかないといけない。それにも兵員は必要だ。それに必要な大量の兵員を確保するのは難しい。特に、ロシアの領域は、ウクライナの兵隊にとっては、未知の部分で、支援をする民衆もいない。武器などの搬送など、兵站にも苦労することになる。
ロシアとの戦闘地域では、今回の戦闘で兵隊を多くそれに向けてしまったのか、ロシア軍に奪われてしまう地域が出てきている。侵攻したのに、逆にロシアに侵攻されたのでは、効果は限定的だ。むしろ、今まで守っていたところが破られて、さらに大きな致命傷が発生するかも知れない。
こういう状況なのに、日本のマスコミは、ウクライナの良いところだけを伝えて、まずいところを伝えない。正確な戦況を報道していない。実際の戦争を考えてみれば、上に述べたようなことは明らかである。海外のメディアは実に正確に伝えているのだが。
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