2017年8月22日火曜日

日本は「働き方改革」なんてのんびりやっていてよいのか?

9月1日付の大前研一氏の『「ビジネス新大陸」の歩き方』に、『ビジネスの現場を知らない政治家が呑気に「働き方改革」なるものを議論している現状には暗澹とならざるを得ない』と最後の部分に書かれている。

シリコンバレーや中国の深センのベンチャー企業がいくつも生まれている状況を見て、日本がいかに遅れているかという話が書かれている。

いまや中国でもIT系のベンチャー企業の初任給は日本のそれを遥かに越えているようだ。むろん、日本でも一部のベンチャ企業ではそれに劣らぬ給与を提供しているところもあるようだが。

大前氏は日本の中央集権をやめて、道州制を導入し、それぞれの道州が競合するような環境を作ればいいと主張している。

この話を読んでいると気づいたのだが、日本は近代で明治維新、第2次世界大戦という2つの時期に、今までとは異なる体制を新たに作り出し、その後の経済発展につなげた歴史がある。

どうも、こうした改革は50年ほどでその効果が薄れてくるようだ。戦後すでに72年が経ち、終戦の時にいろいろと行った改革はその効き目を失ってきたということだろう。

道州制も良いかもしれないが、やはりこれからの体制としては、新しい企業がどんどんと出てくるような仕組みを持った体制にすることが重要だと思う。中国を見ても、中央の政府の指示で深センに新しい工業地帯を作り、その後それが色あせてくると、ベンチャー企業を育てる中国版ナスダックを深センに設立している。お店の支払いをスマホで行うというのは日本よりも進んでいるようだ。獣医学部設立で揉めている経済特区などといった姑息な手段ではなく、もっと大胆に改革を進めていかないと、日本は世界に遅れを取ってしまうのではないだろうか。

あるいは、日本は世界に遅れをとったという自覚ができるまで、どんどんと世界から遅れ、その後から再起をかけた動きをするのだろうか。どうも、今の状況を見てみるとこちらの方になるような気がしてならない。

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