今日の毎日新聞夕刊に、「参政党の歴史認識 演説を識者と検証」という記事が掲載されました。この記事は、参政党の歴史認識を「史実を無視した陰謀論の典型」と断じています。
記事で指摘されている参政党の主な主張は以下の4点です。
1.日中戦争は日本の自衛戦争だった。
2.大東亜戦争は日本が仕掛けた戦争ではない。
3.治安維持法は共産主義が日本にはびこらないための法律だ。
4.政府の中枢に共産主義者を送り込んできた。
これに対し、日本近代史の国家戦略史・軍事史が専門の山田明大教授は、「戦争は共産主義者の陰謀という見方は、戦前から存在する典型的な陰謀史観」とコメントしています。
しかし、山田教授の意見はあくまで一つの見方であり、その反論や異なる視点も考慮に入れる必要があります。参政党の神谷宗幣氏が言及する上記の4項目には、記事が指摘するように疑問点があるものもあれば、そうでないものもあります。
大東亜戦争は誰が仕掛けたのか?
例えば、2番目の「大東亜戦争を仕掛けたのは誰か」という点については、異論が存在します。確かに、最初に軍隊を送り出し、砲弾を撃ったのは日本軍でした。しかし、日本がそうせざるを得ない状況に追い込んだのは、米国ではないでしょうか。
これについては、チャールズ・A・ビーアード著『ルーズベルトの責任』に詳しく説明されています。当時の状況を詳細に調べてみると、米国が日本を戦争せざるを得ない状況に追い込んでいたことがわかります。現在のロシアに対する米国やEUの対応と似ていますが、米国は日本への石油輸出を禁止する措置を取りました。つまり、日本の大陸進出に対抗して、アメリカ、イギリス、中国、オランダの4カ国が「ABCDライン(ABCD包囲網)」という経済的な包囲網を築き、日本を経済的に孤立させたのです。日本はまさに「にっちもさっちもいかない」状況に追い込まれ、結果として戦争を開始せざるを得ませんでした。
また、『ルーズベルトの責任』には、ルーズベルト大統領が白人至上主義者であり、「日本を叩き潰してやる」と公言していたという記述もあります。
日本の真珠湾攻撃は宣戦布告なしの先制攻撃だったとされますが、米国は当時日本の暗号文を解読しており、日本が真珠湾攻撃を仕掛けてくることを事前に知っていたという説があります。さらに、戦争における宣戦布告のルールは西欧諸国が作ったものですが、彼ら自身もこれをほとんど守ってきませんでした。
余談ですが、米国政府が日本の真珠湾攻撃を事前に知っていたという事実が戦後に明らかになり、真珠湾で亡くなった、あるいは重傷を負った米兵とその家族が裁判を起こし、勝訴したという話があります。しかし、この件に関する記事は日本ではなかなか見つかりません。
このあたりの話は、以下の産経新聞の記事にも詳しく書かれています。
この記事の中には、以下のような記述があります。
米大統領フランクリン・ルーズベルトは1940年10月8日の段階で、海軍大将ジェームズ・リチャードソンに対し「遅かれ早かれ、やつら(日本)は過ちを犯し、そしてわれわれは戦争に突入することになる」と語っていました。
まさに、日本は仕掛けられた戦争にまんまと「ハマってしまった」と言えるのではないでしょうか。
そして日本は戦争に敗れ、戦後、米国に都合の良いように歴史教育を受けさせられてきたという見方もできます。しかも、それが明確には分からないように仕組まれているとすれば、私たちは真の歴史を知るために、より多角的な視点を持つ必要があるでしょう。
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