今日の日経新聞に掲載された「トランプ関税なぜ強気? 日本車など値下げ、米国民の負担軽く」という記事は興味深い内容でした。記事によると、トランプ政権による高額関税が導入されたにもかかわらず、日本車や中国製品が値下げされたことで、米国民の負担は現時点ではそれほど増えていないとのことです。
通常、関税が課されると輸入品の価格はその分上昇しますが、今回のケースでは、その上昇分を相殺する形で日本車や中国製品が値下げに踏み切ったようです。これは、これらの製品に元々値下げの余地があり、高額関税がその余地を「吐き出させた」結果だと考えられます。
一時的な値下げの可能性
しかし、この現象は一時的なものに過ぎず、中長期的には高額関税が米国民の負担に大きな影響を及ぼす可能性が高いと私は考えます。
例えば日本車の場合を考えてみましょう。米国内の販売店は、利益を確保して事業を継続しなければなりません。関税分をそのまま価格に上乗せすれば、販売が鈍化し、店舗運営に支障をきたすことは明らかです。そのため、当面の間は販売店の存続を優先し、価格を下げて販売を継続する判断をしたのではないでしょうか。しかし、このような状況が長く続けば、販売店もメーカーも持ちこたえられなくなります。いずれ自動車メーカーは、この状況を打開するための次の手を打ってくるはずです。
トランプ政権の狙いと現実
トランプ大統領の狙いは、米国で生産された車が米国内だけでなく、海外でもさらに売れるようにすることだとされています。しかし、単に関税を引き上げただけで、米国内の自動車生産がかつてのように回復するとは考えにくいでしょう。米国車が国際市場で競争力を高めるには、生産効率の改善、品質向上、技術革新など、多岐にわたる取り組みが必要です。しかも、これらの施策の多くは即効性が期待できるものではなく、長期的な視点に立って継続的に改善していく必要があります。残念ながら、4年というトランプ大統領の任期内で、これら全てを達成することは極めて困難だと言わざるを得ません。
まとめ
結局のところ、高額関税はゆっくりとではありますが、最終的には米国経済に打撃を与えるのではないでしょうか。今回の値下げは一時的な調整であり、持続的なものではないと見ています。
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