2026年1月31日土曜日

タブレットは「思考を奪う道具」か? 孫との学習で見えた新しい可能性

 「タブレットを子供に使わせてもいいのか?」

以前から気になっていたのですが、最近、タブレットの使用に対して慎重、あるいは否定的な意見をよく耳にします。

否定派の意見として多く挙げられているのは、主に以下のような理由です。

  • 脳の発達と学力の低下: スウェーデンなどの教育先進国では、デジタル化を推進した結果、読解力の低下や集中力の欠如が確認されたという報告があります。手書きは指先の細かい動きを伴うため、キーボード入力やタップよりも脳を強く刺激し、記憶の定着や論理的思考力の向上に繋がるとされています。

  • 集中力の阻害: タブレットはゲームや動画など「新しい刺激」に溢れているため、本能的に注意が散漫になりやすく、深い集中を妨げる傾向があります。

  • 生産性の欠如: タブレットやスマホはあくまで「消費者のためのツール」であり、プログラミングやタイピングといった「作る側のスキル」を身につけるには、PCの方が圧倒的に優れているという意見です。

一方で、肯定的な意見も存在します。 算数の立体図形や関数のグラフなど、動的な視覚化が必要な分野での理解を早める点や、動画・音声による繰り返し学習、膨大なデータへの即座なアクセスといった、紙にはない圧倒的な情報量とスピードがメリットとして挙げられます。


私も、タブレットは子供たちの教育において、使い方次第で非常に役立つものだと考えています。

かつてテレビが普及し始めた頃、評論家の大宅壮一氏が「一億総白痴化」という言葉を遺しました。テレビは受動的な姿勢を強いるため、本を読んだり深く考えたりする習慣が奪われ、国民全体の思考力が低下すると警鐘を鳴らしたのです。


この意見は、現在のタブレットに対する否定的な意見と非常によく似ています。 では、実際に人類はテレビによって「総白痴化」したのでしょうか? 私はそうは思いません。むしろ、世界中の動向を映像で知ることで、人々の知識や視野は大きく広がったはずです。


タブレットについても、悪い面ばかりを抽出するのではなく、良い点をどう引き出すかを考えるべきではないでしょうか。

先日、こんなことがありました。 漢字学習が苦手な孫のために、私がパソコンで漢字の問題プリントを作成してやらせてみたのです。


その際、答えを教えるのではなく、「回答はタブレットですぐに見られるよ」と教え、自分で答えを探させました。すると、タブレット操作が得意な孫は、ゲーム感覚で自ら回答を見つけ、どんどん採点を進めていきました。


驚いたことに、2度ほど繰り返しただけで、そのシートの漢字をすべて覚えてしまったのです。孫自身も「あれ、覚えてしまった?」と不思議そうにしていました。


もしタブレットがなければ、回答集から探し出す手間がかかるか、あるいは親がつきっきりで教える必要があったでしょう。それでは時間もかかりますし、どうしても「他人頼み」になってしまいます。


タブレットを活用することで、孫は「自分で回答を探し、自分で採点する」という自立した学習プロセスの中で、楽しみながら漢字を覚えてしまいました。


これはパソコンでも可能かもしれませんが、直感的に操作できるタブレットだからこそ、子供がストレスなく使いこなせたのだと感じます。


タブレットは、私たちにとってまだ新しいツールです。 このツールを単なる「消費の道具」にするのか、それとも「学びを加速させる良き相棒」にするのか。その使いこなし方が、今、私たち大人にも試されているのではないでしょうか。


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