いつものように夫婦の会話をショート動画にしようと思い、新聞で見つけた微笑ましいコント投稿をベースに、Copilotで脚本を作ってもらいました。
元にしたのは、こちらのネタです。
タイトル:パンチ
時々寝言で私の名前を呼ぶ夫。今朝もその声で目が覚めた。のぞき込んだ瞬間、私の顔にパンチが飛んできた。「幽霊と戦っていて、おまえを守ろうと必死だった」と言う。痛かったけど、夢の中では確かにあなたはヒーローです。(イタタのヒロイン・60歳)
できあがった脚本の冒頭部分をGeminiに入力し、動画生成を依頼してみました。
ーーー シーン1:朝の寝室(導入)ーーー
映像: 柔らかい朝日が差し込む寝室。60歳の妻(ヒロイン)が布団の中で目を閉じている。隣で寝ている夫が、寝言で小さく妻の名前を呼ぶ。
音声: 夫の寝言「……ひろみ……ひろみ……」
ナレーション:「時々、寝言で私の名前を呼ぶ夫。今朝もその声で目が覚めました。」
ーーー
生成開始の合図が出たので楽しみに待っていたのですが、数分後に表示されたのはなんともつれないメッセージでした。
「そのような状況で実在の人物の動画を作成することはできません。他にお手伝いできることはありますか?」
ごく普通の朝の風景ですし、架空の脚本なので「実在の人物」も指定していません。一体どこに引っかかったのか見当もつかず、Gemini自身に「このプロンプトのどこに問題があるのか?」と尋ねてみました。
すると、返ってきた解説は次のようなものでした。
性的コンテンツ(NSFW)の誤検知
「寝室」「布団の中」「目を閉じている」「名前を呼ぶ」といった言葉が、性的なニュアンスとして過剰に解釈されてしまった可能性がある。生死・医療・事件関連の誤検知
「高齢(60歳)」「布団で目を閉じている」「隣で名前を繰り返し呼ぶ」などの描写が、「危篤状態」や「病床での看取り」を連想させてしまった可能性がある。
なるほど、AIのセーフティガードが慎重すぎるあまり、前後の文脈を見ずに単語の組み合わせだけで警戒警報を鳴らしてしまったようです。
親切なことに、Geminiは「これなら通るはず」と日本語と英語の修正案まで提示してくれました。
Gemini提案の日本語版:
「柔らかな朝日の光が入る明るい部屋。穏やかな表情の60代女性がベッドでゆっくりと目覚め、目を開ける。隣のベッドの夫が穏やかに寝息を立てている……」Gemini提案の英語版:
“A peaceful morning scene in a bright, sunlit bedroom. A healthy 60-year-old Japanese woman gently wakes up under cozy blankets……”
「これならいけるだろう」と期待して両方試してみたのですが……。
日本語でも英語でも、返ってきたのは最初と全く同じお断りメッセージ。
自分で考えてくれたプロンプトすらセーフティに弾かれてしまうのには、思わず苦笑いしてしまいました。テキストを考える頭脳と、動画を生成するガードマンの間で、うまく意思疎通が取れていないのかもしれません。
あれこれ工夫して突破口を探すのも少し疲れてしまい、今回はここで潔く諦めることにしました。
安全対策を徹底したい企業の事情も分かりますが、何気ない日常のスケッチすら弾かれてしまう現状は、使う側としては少しもどかしいところです。文脈をきちんと汲み取って「これはただの平和な朝だな」と理解してくれるようになるまで、もう少しのんびり付き合いながら進化を待つしかなさそうです。
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