YouTubeで「日本は素晴らしい」と紹介する動画を数多く見かけます。
清潔な水洗トイレ、定時運行の新幹線、驚異的な紛失物の返却率など、日本の優れた側面を称賛する内容は多岐にわたります。
しかし、私がそれらの動画の中で特に違和感を覚えるのは、一部の動画が中国や韓国との比較を通じて、日本の優位性を強調しようとしている点です。
もし仮に、他国の動画が日本人を主な対象として取り上げ、「自国よりも劣っている」といった論調で表現していたとしたら、私たち日本人が決して良い気持ちはしないでしょう。例えば、中国や韓国で、過去の戦争における日本軍の行為が、事実かどうかを問わず、一方的に批判的に取り上げられているのを目にして、良い気持ちになる日本人は少ないはずです。これはその裏返しではないでしょうか。
さらに懸念すべきは、このような比較の対象として挙げられるのが、決まって隣国の人々であり、欧米諸国などその他の国の人ではないという点です。アメリカやヨーロッパの国々を露骨に蔑視するような動画は、ほとんど見かけません。この選択的な比較対象の選定こそが、意図的で偏った視点を生み出しているように感じられます。
隣国の人々を蔑視するような動画を流す行為は、結果として、隣国との間で争いの小さな火種を生み出すことにつながりかねません。戦後およそ80年、日本が戦争もなく平和を享受してこられたのは、近隣諸国との直接的な戦争がなかったからです。
平和をこれからも維持し続けるためには、どんなに小さなことでも、戦争の火種になるような言動は避ける方が賢明ではないでしょうか。他者を不必要に貶めることなく、ただ純粋に日本の良さを伝える動画が増えることを願っています。
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