2026年6月2日火曜日

日本の脱炭素政策は世界の方向と真逆?国会で投じられた一石

 キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹・杉山大志氏が、先日の参議院の場で、世界的なエネルギー情勢や日本における再生可能エネルギー大量導入の是非について、独自の視点から厳しい指摘を行いました。


杉山氏は、「世界は脱炭素に向かっておらず、むしろ逆である」と主張します。


大国の現実を見てみると、確かにその通りかもしれません。


  • 中国: 大規模な石炭火力発電所の新設を次々と進めている
  • アメリカ: AI競争に勝つため、安価な電力を求めてガス火力発電所を増やしている
  • ロシア・インド: 化石燃料の生産・輸出や調達を最優先している


さらに驚くべきは、脱炭素の「費用対効果」です。日本がCO2排出を完全にゼロにしたとしても、地球の気温低下効果はせいぜい0.006℃に過ぎないといいます。また、私たちが日々目にする気候変動の不吉な予測は、過去のデータすら正しく再現できない不正確なコンピューターシミュレーションに基づいており、信頼に足らないと杉山氏は批判しています。


主要国では、安全保障や経済を優先して脱炭素政策に反対する政治勢力が勢力を伸ばしていますが、日本だけが国会でその是非を正面から議論してきませんでした。


杉山氏の陳述にはありませんでしたが、補足すると、ヨーロッパで国を挙げて推進されてきた「自動車のEV化」についても、ここにきて見直しや方針転換をする国やメーカーが相次いでいます。まさに、パリ協定で先進国が掲げた「2050年実質ゼロ」や「途上国への巨額資金移転」という高い理想は、世界規模で行き詰まっているのが現状です。


私もかつては太陽光発電や風力発電に期待を寄せていた一人でした。しかし、費用対効果を考えると、未だに火力などの従来型発電に比べて割高です。そればかりか、電気料金に上乗せされる「再エネ賦課金」など、国民負担によって支えられているのが実態であり、結果的に国富の無駄遣いになっている面は否めません。


今回のように、国会で脱炭素の不都合な真実が取り上げられたことは大きな意義があります。しかし、残念ながら新聞やテレビなどの主要メディアではほとんど報道されていません。


「生真面目に脱炭素へ突き進んでいるのは日本だけかもしれない」という世界の現実に目を向け、エネルギー政策の舵取りを早期に見直す時期に来ているのではないでしょうか。



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