2024年12月30日月曜日

2024年を振り返って:既存メディアを抜いたネットメディア

 今年注目すべき話題の一つに、ネットメディアの躍進があります。特に選挙運動において、その影響力が顕著に現れました。


例えば、安芸高田市の元市長、石丸伸二氏のネット戦略が挙げられます。彼が注目を集めたきっかけは、安芸高田市議会との議論を公開したYouTube動画でした。議会との意見の相違をテーマにしたYouTube動画を配信することで、市民の支持を集め、その後の都議選に立候補。当初は劣勢と見られていましたが、小池都知事に次ぐ2位という好成績を収めました。選挙期間があとわずか長ければ、都知事当選の可能性もあったと言えるでしょう。


また、衆議院議員選挙における玉木国民民主党代表も、YouTubeやX(旧Twitter)などを活用し、当選者数を選挙前の4倍に増やしました。選挙最終日には、東京駅前で街頭演説を行い、多数の聴衆を集めたことも記憶に新しいです。


さらに、兵庫県知事選では、兵庫県議会から不信任を突きつけられた斎藤元彦知事が、辞任後に行われた知事選で当選を果たしました。彼は、一人で辻立ちを行い、その様子をYouTubeで発信を行いました。また、立花孝志氏が同じ選挙に立候補し、斎藤元彦氏を追い込んだおねだりやパワハラなどが、事実ではないことを街頭演説やYoutubeなどを使って選挙民に効果的に情報発信を行いました。


これらの選挙を通じて、既存メディアの報道の中立性を疑うようなことが明白になってきています。例えば、兵庫県知事選では、斎藤元彦氏のパワハラや、おねだりをなんの取材もなく、騒ぎ立てて報道しましたが、実際にはそういうことはなかったということが判明してきています。


来年は、東京都議会選、参議院議員選などが予定されており、今後の選挙活動にはネットの影響力は今後ますます増大していくと考えられます。


ネットメディアがテレビや新聞などの既存メディアから、聴取者を奪い取っているのは、政治の舞台だけではありません。例えば、スポーツや映画などエンターテインメントなどの分野でも、存在感を増しています。サッカーの試合中継などは既存のテレビ局で見られる試合は限られており、ほとんどの試合はネットで見る時代になってきました。


このように、ネットメディアは情報収集、拡散の手段として、もはや欠かせない存在となっています。既存メディアは、ネットメディアの台頭に危機感を持ち、その変化に対応していく必要があるでしょう。



2024年12月29日日曜日

2024年を振り返って、AIの進歩

 2024年も残り僅かとなりましたが、今年特に注目された話題を取り上げてみます。


AIの進歩

まず、大きいのはAIの進歩です。今年のはじめには想像もできなかったようなAI技術が、次々と登場しました。その象徴が、今年のノーベル賞です。なんと、物理学賞と化学賞の両方でAIに関連する研究が受賞対象となりました!


ノーベル賞の受賞


物理学賞は、「機械学習」や「深層学習」(ディープラーニング)の基礎を築いた、ジェフリー・ヒントン氏 (カナダ・トロント大学名誉教授)、ヤン・ルカン氏 (米ニューヨーク大学教授)、ヨシュア・ベンジオ氏 (カナダ・モントリオール大学教授)の3名が受賞しました。彼らは1980年代から1990年代にかけて、現在のAIブームの火付け役となった技術の基礎を築いた功績が認められました。


化学賞は、タンパク質の設計と立体構造予測にコンピューターとAIを活用した、デビッド・ベイカー氏 (米ワシントン大学教授)が受賞しました。ベイカー氏が開発した「RoseTTAFold」は、AIを使ってタンパク質の立体構造を正確に予測する画期的な技術です。これは創薬や医療技術の発展に大きく貢献すると期待されています。


AI関連研究がノーベル賞を受賞したのは、今年が初めてです。これはAI技術が科学分野においても重要な役割を果たすようになったことを示す、画期的な出来事と言えるでしょう。


今年のAI関連の話題

画像生成AIの分野では、Midjourney、Stable Diffusion、DALL-E 2などの画像生成AIが、より高画質でリアルな画像を生成できるようになり、アートやデザイン、広告など様々な分野で活用が進んでいます。例えば、Midjourneyは、すでに多くのアーティストが作品制作に利用しており、Stable Diffusionは、オープンソースであることから、様々なアプリケーションに組み込まれています。


文章生成AIの分野では、ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデルは、より自然で人間らしい文章を生成できるようになり、文章作成、翻訳、要約、質疑応答など、様々な用途で使われるようになりました。例えば、Googleが開発したGeminiは、100万トークンという巨大なコンテキストウィンドウを持ち、従来のモデルよりも高度な推論や文章生成が可能です。ChatGPTは、カスタマーサポートやコンテンツ作成に広く利用されており、Geminiは、その高度な能力から、研究開発や専門的な分野での活用が期待されています。


動画生成AIの分野では、Runway Gen-2など、テキストから動画を生成するAIが登場し、手軽に動画コンテンツを制作できるようになりました。


音楽生成AIの分野では、GoogleのMusicLMなど、テキストから音楽を生成するAIが登場しました。


AI技術の社会での普及

AI技術の進化に伴い、実際の社会での使用がどんどん普及してきています。


ビジネス分野では、AIを搭載したチャットボットが顧客対応を行うことで、企業が人件費を削減し、顧客満足度を向上させるなど、業務効率化、顧客対応、マーケティング、人事など、様々な業務で活用されるようになりました。


医療分野では、画像診断支援により、医師の診断精度向上や見落とし防止に役立つなど、画像診断、創薬、治療法の開発などの医療分野でも、活用が進んでいます。


教育分野では、個別学習支援、成績評価、教材作成などで活用が始まっています。


そのほか、AIは、貧困、環境問題、災害対策など、社会課題の解決にも取り入れられてきています。


AIの倫理的問題と法整備

こういう、AIの活用に伴って、AIの倫理的な問題、例えば、AIのバイアス、プライバシー、雇用への影響などが取り上げられるようになりました。そして、AIの開発と利用に関する法的な整備が議論されるようになりました。EUではAI法が成立し、AIの利用に関する規制が強化される方向にあります。日本では、AI戦略会議が設置され、AIの社会実装に向けたガイドラインが策定されています。


今年はAI発展の序章に過ぎず、その急激な進化は、来年以降のさらなる発展を予感させます。AIの能力を持ったロボットが、人間を支配するといった科学小説のようなことは怒らないとしても、社会に役立つAIが大きく進歩するように期待しています。




2024年12月28日土曜日

2024年12月29日(日)付毎日新聞の辛口数独の解き方

 12月29日(日)付の毎日新聞に掲載されている辛口数独の解き方を説明する。唐辛子のマークが5つついており、たいへん難しい問題という表示になっている。この問題は難しい問題の中でも特に難しい問題である。



問題は上のようなものである。




とりあえず、簡単にわかるところだけを埋めてみる。以下のようになる。



これ以上は単純な考え方だけでは数字が埋められない。少し工夫してみる必要がある。


ここで下の図を見てもらいたい。右側下段の9つの箱に注目する。赤い線上には「1」があるので、赤い丸印の2つの箱のいずれかに「1」が入る。



ここで下の図を見てもらいたい。


中央下段の9つの箱に注目する。この図で赤い直線で示した部分には「1」と「9」がその直線上にあるので、赤い四角で示した2つの箱のいずれかに、「1」もしくは「9」が入り、他の数は入らない。



これを利用すると、中央下段の9つの箱の一つに「5」が入ることがわかる。


それ以降も、難しいところもあると思うが、じっくり考えれば解くことができるはずである。





2024年12月27日金曜日

GeminiとCopilotの比較

 AIについて深く理解するには、実際に使ってみるのが一番だと考えています。


最近、特によく使っているのが、Geminiですが、比較のために、Copilotも併用しています。主な用途は文章の添削です。ほとんどは、日本語の文章ですが、英文も時々添削してもらっています。


Geminiは添削を頼むと、添削して直した文章を表示してくれることもあるのですが、そうしないで、こうした方が良いというコメントだけを返してくれることがあります。


Copilotは、必ず添削をお願いした文章を全文直して返してくれます。


Copilotの方が親切に感じることもありますが、Geminiのコメントを参考に自分で修正する方が、より深く文章と向き合えるというメリットもあります。


時間がある時は、同じ文章をGeminiとCopilotの両方で添削し、それぞれの結果を参考にしながら、最終的な文章を作成しています。


本格的な比較を行うには、数千、数万というサンプルを用いて統計的に分析する必要があるでしょう。しかし、個人レベルでは、実際に使ってみた感想を共有するだけでも十分に意味があると思います。


それぞれの特性を理解し、自分に合った使い方を見つけることが、AIを有効活用する鍵だと感じています。







2024年12月25日水曜日

兵庫県議会百条委員会:報道と実際のギャップを考える

 昨日行われた兵庫県の百条委員会の内容は、YouTubeなどで全て確認できます。2時間あまりのかなり長い動画のため、時間がない人には視聴が難しいかもしれません。私も斎藤元彦知事の部分と、片山元副知事の部分を一部だけ見ましたが、それでも1時間程度は視聴しました。


その内容と本日の新聞報道を比較すると、元県民局長の文書を斎藤知事は「嘘八百」と避難したと報じているが、実際に嘘ばかりが書かれていた可能性が高いのに、それを報道しないなど、新聞報道には偏向が見られることがはっきりと分かります。


本日の斎藤知事の定例記者会見でも、相変わらずパワハラについてしつこく知事の見解を問いただしたり、その他のことでも知事の責任を追求するような質問をする記者が多かったように思います。


兵庫県の話なので、多少はそういう傾向があると思いますが、大手新聞の東京版と大阪版では取り扱いが大きく異なっています。例えば、毎日新聞では東京版が21面に2段の7割程度を使用して報道しているのに対し、大阪版では23面に8段の5割を使用して報道しています。当初は東京側のメディアでも大きく騒いだのに、今となっては東京側は静かにしているように見えます。


さらに、新聞の記事そのものも斎藤知事に対して批判的な内容になっています。片山元副知事がパワハラなどについて事実に基づいていないと主張しているのに、それについては全く触れられていません。新聞が事実に基づかない話を以前報道していたため、都合が悪いのでしょう。


現在、百条委員会や知事の定例記者会見は、テレビや新聞で報道されなくても、ネットでそのままの形で流されています。それをじっくり見て、新聞報道と比較すると、どれだけ内容が歪められて報道されているかがよく分かります。


テレビや新聞がこうした報道を繰り返していると、利用者が減っていくとかんじるのは私だけでしょうか?


すでに新聞の購読者数は減少しており、それを示すように通勤電車の中で新聞を広げている人を見かけなくなりました。テレビの報道番組を見る人も減少しているようです。このような偏向報道を続けていると、ますますテレビや新聞の利用者は減っていくのではないでしょうか?





2024年12月24日火曜日

Gemini Deep Researchで日産とホンダの提携を調べてみた

 最近リリースされたGeminiのDeep Research。大量のWebページから情報を収集し、要約したレポートを自動作成してくれるという画期的な機能です。早速使ってみたので、その様子をレポートします。


Geminiを開いて、画面右上の「Gemini Advanced」の右側の三角アイコンをクリックすると、モデルのリストが表示されます。ここで、「1.5 Pro with Deep Research」を選択すると、Deep Researchが使えるようになります。



まず、「国民民主党が提案している103万円の壁について、最近の状況をまとめてください。」と依頼してみました。しかし、「現時点では選挙または政治家に関する回答には対応できません。意図的に誤った情報を共有することはありませんが、間違えることがあります。私が正確な情報をお伝えできるようになるまでは、Google 検索をご利用ください。」という回答が返ってきました。Deep Researchは、まだ開発中の機能であり、政治的なトピックなど、扱えないテーマもあるようです。


次に、「日産とホンダが提携するというニュースが出ていますが、それについて現在までの状況と今後に関して、まとめてください。」と依頼してみました。


すると、「リサーチ計画」が表示されました。



この計画は、「計画を編集」から変更することができます。例えば、キーワードを追加したり、除外したりすることで、より的確な情報を収集できます。


今回は、計画を変更せずに「リサーチを開始」をクリックしました。「リサーチを開始しています」という表示に変わった後、「ウェブサイトをリサーチしています」という画面になり、リサーチしているウェブサイトの件数が徐々に増えていきました。最初は8件でしたが、最終的には19件にまで増えました。



数分待つと、「日産ホンダ提携の現状と展望」という報告書が作成されました。



画面右上の「Google ドキュメントで開く」をクリックすると、この報告書をGoogleドキュメントに変換してくれます。


このような報告書を作成しようとすると、従来の方法ではかなりの時間が必要でしたが、Deep Researchなら数分でここまでまとめてくれます。


調査したウェブサイトは、報告書の最後にリストアップされています。必要であれば、それらを読んで確認したり、報告書を編集したりすることも可能です。


現在のところ、Deep Researchは有料版のGeminiで使えますが、無料版では使えません。興味のある方は、有料版に登録して使ってみると良いでしょう。


Deep Researchを使って、他にどんなことが調べられるか、ぜひ試してみてください。




Gemini 2.0 、写真の場所を間違える!?

 Google Gemini 2.0 Flash Experimentalを試しに使ってみました。


提示した写真の場所を聞いてみました。使った写真は以下のものです。


(鹿児島大学旧理学部本館と誤認識された旧豊郷小学校)


私:この写真の場所を教えて下さい。


Gemini:「この建物は、日本の鹿児島県にある鹿児島大学の旧理学部本館です。」


おかしいと思ったので、この建物の前にある銅像の写真を送って、銅像のある場所を尋ねてみました。


私:この銅像のある場所を教えて下さい。



(旧豊郷小学校の校舎前にある銅像)


Gemini:「この銅像は、鹿児島大学の旧理学部本館の前にあります。銅像は、古川鉄治郎氏のものです。」


私:滋賀県犬上郡豊郷町にある旧豊郷小学校だと思いますが?


Gemini:「申し訳ありません、私の認識が間違っていました。ご指摘の通り、この画像は滋賀県犬上郡豊郷町にある旧豊郷小学校の可能性が高いです。


旧豊郷小学校は、特徴的な外観と、校舎前に設置された銅像が特徴的です。画像に写っている建物と銅像は、旧豊郷小学校の特徴と一致します。


私の最初の回答は誤りでした。ご指摘いただき、ありがとうございました。」


Geminiが間違った答をしていることを認めて、正しい答えを学んだということでしょうか?





静かに始まる自公民体制の崩壊:次期総裁を待ち受ける茨の道

 石破首相が退陣し、新たな自民党総裁選が始まりました。例年通り複数の候補者が名乗りを上げ、メディアもその動向を追っています。一見、いつもの総裁選に見えますが、今回はこれまでとは違う「何か」が動いているように感じます。 次期総裁候補として、高市早苗氏や小泉進次郎氏などの名前が挙がっ...