先日行われた全米オープンで、堂々たるプレーでベスト4まで進出した大坂なおみ選手。彼女の活躍は、世界ランキングを14位に押し上げました。
その快進撃の要因として、メディアはこぞって「新コーチの存在」を挙げています。確かに、トマシュ・ビクトロフスキ氏がコーチに就任したのは全米のわずか1ヶ月前。彼の指導が、大坂選手を覚醒させたという見方は一理あるでしょう。
しかし、本当にそれだけなのでしょうか?私はこの見方に少しだけ疑問を抱いています。
覚醒は「突然」ではなく「徐々」に
もちろん、新コーチの存在が好影響を与えたのは間違いないと思います。しかし、今年の大坂選手のプレーをじっくり見ていると、彼女のプレースタイルは、新コーチ就任以前から少しずつ変化しているように感じます。
以前は、彼女の最大の武器である強打に頼るプレーが中心でした。しかし最近では、強打だけでなく緩急をつけた巧みなショットを随所に織り交ぜるようになりました。ここぞという場面では強打で決めますが、緩いボールを打ち返して相手を揺さぶることも増えました。これは、以前の大坂選手にはあまり見られなかった変化です。
また、ネット際でのプレーも格段に向上しました。以前はネットに詰められるとミスをすることが多かったのですが、今では機敏なフットワークでボールを返し、ポイントに繋げることが増えています。
プレースタイルを変えた「意外な存在」
こうした変化のヒントは、全米オープン開催前のインタビューにもありました。大坂選手は、スライスショットを駆使する独特なプレースタイルの伊藤あおい選手について、こう語っています。
「すごく面白いです。彼女のスライスの打ち方など、テレビで彼女が映るたびに釘付けになってしまいます。」
「私には絶対にできないプレーをする選手を見るのが大好きなんです。」
「だから今"日本のテニス"と言われれば、彼女のことを考えます。彼女の試合は私にとって一番興味深いからです。」
「私には絶対にできないプレー」と語っている点から、自分のテニスとは全く違うスタイルを持つ伊藤選手から、何かしらの影響を受けているのではないかと私は感じました。
新コーチの指導はもちろん大きな要因ですが、それだけでなく、彼女自身の探求心や、他の日本人選手のプレーから学んだことが、今回の全米での快進撃に繋がったのではないでしょうか。
これからも、大坂なおみ選手、そして伊藤あおい選手など、日本人選手の活躍から目が離せません。
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