毎日新聞7月3日のSunday Columnの記事、「陸続きの国境という恐怖」というのを興味深く読んだ。
最近の毎日新聞の記事は、従来の主張の流れと異なった記事を時々見かけるが、これもその一つだ。今までなら、9条で日本は守れるというような記事が目立ったのだが。
今回のロシアのウクライナ侵攻で、従来の考え方が変わってきた人は多いと思うが、この記事はそれに輪をかけるような内容だ。
日本は周りを海に囲まれているので、他国とはかなりの距離を隔てている。ところが、世界の殆どの国は、国境のすぐ隣が他国という環境にある。この違いは大きい。他国からは地続きならすぐの入り込めるのだ。
私も数十年前になるが、西ドイツでレンタカーをしてドイツ国内を回っていたのだが、そのドライブ中に道に迷って、オーストリアに入ってしまった。国境を越えているのを全く気づかなかった。
検問所があるのに気づいて、初めて国境を越えているのに気づいたくらいである。日本でいうと県境を越えたとしてもあまり気づかないのと同じだ。
こんなに簡単に国境を超えることができるのだから、隣の国が攻めてくるという恐怖は、ヨーロッパの国だったら誰でも持っている感覚ではないかと思う。
変な話、日本では他国が攻めてきたというのは、蒙古襲来くらいで、それ以降、第二次世界大戦で攻め込まれるまで攻め込まれることは全くなかったと言っていい。この違いは大きい。
この記事によると、ウクライナとロシアの国境のノボアゾフスクの検問所では、路上に護岸用のコンクリートブロックが並んでいるらしい。ロシアの軍事車両が入ってくるのを阻止するために置かれている。
毎日新聞の記者はこのコンクリートブロックの写真を撮りたかったそうだが、みつかって撮影した写真はすべて消去させられた。しかし、その後、隠し撮りをして首尾よくそのテトラポットを撮影するのに成功した。その写真が記事を飾っている。
「ロシアは必ず攻めてくる」というのは、ウクライナ国民はずっと思っているようだ。
日本は攻めて来られた経験が少ないので、全くそういう事を考えたことがない。
しかし、環境は変わった。日本は海を隔てているが、直ぐとなりにミサイルや核を保持した、北朝鮮、ロシア、中国がある。最近の軍事関連の装備の進歩を考えると、今までない状況になっていることは確かだ。海が日本の防波堤になっている時は良かったのだが、現在はどうなのか。いまでも、海が防波堤になっているのか?今まで日本を攻めてきたことが全く無いか、殆どない彼らが、日本に攻めてくることはまったくないのか?
状況をよく見分けないといけない時代になっているような気がする。
毎日新聞の「陸続きの国境という恐怖」という記事は以下のところで読める。
https://mainichi.jp/premier/politics/articles/20220628/pol/00m/010/017000c
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