最近のマスコミは死亡者数が5000人を超えたということで、何度もそのニュースを流している。
確かに、年間5000人の死亡者数というのは大きく感じる。
しかし、日本の人口は1億人を超しているので、その中で5000人というのはそれほど大きな数と言えないのだ。
いつも引き合いに出しているのは、インフルエンザの例である。
インフルエンザは年間どのくらいの死亡者を出していたか?
毎年その数は異なるのだが、1999年には5万人ほどの死亡者を出している。実に、現在のコロナウイルスの死亡者数の10倍の数字である。こんなに大きな数字だったのに、それを覚えている人は少ない。
ここで断っておかないといけないのは、死亡者数としてどういう数え方をしているかである。そうでないと、コロナウイルスとインフルエンザの死亡者数を誤ってとらえてしまう。
コロナウイルスの死亡者数は、単純にコロナウイルスで死んだ人の数を数えているのではない。主因は癌とか肺炎とかで死んだ人も、PCR検査をした結果、コロナウイルスが発見されたら、その時にはコロナウイルスで死亡したとして数える。これは、「超過死亡」という考えに沿ったWHO推奨の数え方で、それに従っているわけだ。
インフルエンザの死亡者数も、そういう数え方をしている。つまり、癌や肺炎で死亡したとしても、その前にインフルエンザの症状があらわれていたら、インフルエンザによる死亡として数える。
コロナウイルスとインフルエンザで、上に説明しただけでは、よく読まないと死亡者数について同じような数え方をしていると感じるかもしれない。
しかし、数え方は全く違っている。
インフルエンザはその症状が出ていると医者が判断したときに数えるのだが、コロナウイルスの場合にはPCR検査をしてコロナウイルスが見つかった場合に、コロナウイルスが原因で死亡したとみなしている。しかも、癌や肺炎などで死亡した後でも、PCR検査を行い、陽性反応が出ると、その人までコロナウイルスで死亡したと数えている。つまり、コロナウイルスの場合には、症状が出ていなくても、コロナウイルスが鼻やのどに見つかっただけで、死亡者として取り扱っている。
この数え方の差は大きい。いまでもPCR検査をした人で陽性になったが感染しなかったという人は多い。少なく見積もっても、半数くらいは症状が出ていない。
つまり、コロナウイルスの死亡者はインフルエンザの死亡者に対して数えすぎている。
そういった数え方の差があり、さらに死亡者数としてだされている数字で10分の1に過ぎないコロナウイルスの死亡者数で、あまりにも騒ぎすぎているのは変だ。インフルエンザでこんな騒ぎになったことはない。どうして、コロナウイルスだけこのように騒ぎを大きくするのか?
なお、インフルエンザの死亡者数に関しては、山梨大学看護学部高橋美保子氏の論文「インフルエンザ流行による超過死亡の範囲の推定」に出ている数字を参考にした。
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