コロナウイルスの死亡者数が、令和3年1月9日0:00現在で3931名、一日の死亡者数が75名となった。
私は陽性者数や感染者数、などよりも死亡者数が一番信頼のおける数字とみて、その推移を見守っている。人間の手で数を大きくしたり、小さくできにくい数字とみているからである。
陽性者数や感染者数は、PCR検査の検査数で左右されるのと、さらにPCR検査の精度が悪いこと、そしてPCR検査が行われていないところでは、データとして取られていない可能性があるので、信頼性が低いとみている。
死亡者数は、死亡したという現実に発生したもので、ごまかしがきかない。死亡した場合にはきちんと医者の立会いの下に、死亡を確認し、届け出がされるので、データもしっかりとれているはずだ。
ただ、コロナウイルスの死亡者数というのは、コロナウイルスに感染した人で、それが原因で死んだ人だけではなく、例えば癌を患っていて死亡した場合にも、コロナウイルスに感染していたら、コロナウイルスでの死亡として数えられる。これはWHOから出ている超過死亡という考え方に従った数え方である。
ここで問題なのは、コロナウイルスの場合には、コロナウイルスで感染したという兆候が表れていなくても、死亡後PCR検査をしてコロナウイルスが見つかった場合に、コロナウイルスで死亡したとして死亡者数に数えられるところだ。
この点が、インフルエンザと大きく異なる。インフルエンザでは、癌を患って死亡した場合には、インフルエンザに感染していると医者が判断していた場合だけ、インフルエンザの死亡者数として数える。インフルエンザのウイルスが鼻やのどについていたとしても、死亡後にPCR検査などで調査しない。
だから、インフルエンザの死亡者数の方が、コロナウイルスの死亡者数よりも数えられる範囲が狭い。少ない数になっているということだ。コロナウイルスの場合には、死亡者数を過大に数えていることになる。
この死亡者数の数え方は、超過死亡という考え方で死亡者数をとらえるということであって、コロナウイルスやインフルエンザがどういう影響を人口などに与えているかを見るためのものだ。
だから、実際のインフルエンザの死亡者数は、国の人口動態報告では、インフルエンザで亡くなった方だけを数えて、それを死亡者としている。その数は、2019年は3000名ほどだった。これに対して、超過死亡での死亡者数は13000名ほどである。
さらに、超過死亡の考え方によるインフルエンザの死亡者数のとり方は、割合ずさんな形で収集されている。超過死亡の概念では、正確に死亡者数を数える必要はないからである。インフルエンザの死亡者数のとり方は、「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」というもので収集されている。全国の主要都市21のデータを集めて、その数字から全国の死亡者数を類推している。
こういう死亡者数の数え方を理解したうえで、コロナウイルスの死亡者数を見てみるとよい。
上のグラフは、2019年から2020年にかけての冬の時期の、インフルエンザの死亡者数の推移を示している。超過死亡の考えに基づいた死亡者数である。
グラフを見てみると、この1月の時期、週に450人から500人くらいの死亡者がいたことになっている。つまり、日に60人から70人程度の死亡者が出ていたということだ。
昨日のコロナウイルスの死亡者数は、75名だった。
上の説明で分かるように、コロナウイルスの死亡者数はインフルエンザの死亡者数よりも症状が出ていない人までPCR検査をすることで数え上げていることを考えると、現在の75名という数字でもインフルエンザよりも少ない、もしくは同等の死亡者数だと言える。
昨年、インフルエンザの死亡者数で大騒ぎをしたかというと、まったくしていない。さらに、数年前はもっと死亡者数は多かったのに騒がなかった。どうして、今、こういう少ない数字でコロナウイルスで大騒ぎをするのか不思議でならない。
もちろん、死亡者を出す、重症者を出す病気だから用心しないといけないが、過剰反応は問題だ。
超過死亡に関しては、以下のところに詳しい説明が出ているので、読んでもらいたい。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/allarticles/surveillance/2069-others/2650-00abst.html
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