コロナウイルスの感染が急激に増えているというので、緊急事態宣言が出された。2019年-2020年の冬の時期のインフルエンザと比較すると、コロナウイルスによる死亡者数は日本でははるかに少ないのに、緊急事態宣言が出されるというのはおかしいと思っている。
それはさておき、最近の世界におけるコロナウイルスの蔓延状況はどうか。いつものことながら、OurWorldInDataのサイトからグラフをもらってきた。以下のものだ。百万人当たりの死亡者数のグラフである。
グラフは対数表示になっているので、注意して見てもらいたい。普通の線形のグラフでは、その差がわかりにくいので、対数グラフを採っている。
このグラフを見ると、欧州諸国、米国、ブラジル、南アフリカなどロックダウンを含んだいろいろの対策を行っているようだが、死亡者数は現在のところ増加傾向にある。対数グラフなので、日本や韓国などに比較して変わらないように見えるが、増加数は日本の数を大きく上回る。
このところ、日本と韓国は百万人当たりの死亡者数はほぼ同じ程度の値で推移している。最近韓国のコロナウイルスのニュースが入ってこないのでよくわからないのだが、日本以上に緊急事態として対策を行っているのに、このざまだ。ロックダウン並みの厳しい対策をしても、あまり効果がないということなのだろう。
それに対して、インドが減ってきており、ついに今年初めごろから、日本や韓国を抜いて、死亡者数が少なくなっている。これに対して、報道するマスコミが少ないというのも不思議なことだ。昨年9月ごろには、感染者数では米国に次いで2番目と言われていたのだが、百万人当たりの死亡者数でみてみると、状況は米国や欧州ほどではなかった。そして、現在では日本や韓国をもしのいでいる成績だ。インドは若者の比率が高いので、集団免疫ができたという説がもっともらしく語られている。結局減ってきた理由はわかっていないと言っていいだろう。
中国は他の国に比較して格段にいい値を示している。このデータが正確だとすると、中国は現在もほぼコロナウイルスを制圧している見ていい。中国には現地で働いている日本人もたくさんいるのだが、彼らからコロナウイルスで大変という情報は入ってきていない。工場などでは、通常の勤務体制になっているようだ。スマホを使用した個人の情報管理が徹底していることがその原因かもしれない。
このグラフを見ていつも不思議に思うのは、欧米各国はロックダウンなどを行って、コロナウイルス対策を行っているのに、死亡者数が増えているということだ。死亡者数は超過死亡の考え方を入れた数字なので、実際よりも数倍大きい数字が出てくるのだが、それにしてもそれが増加しているのはどうしてか。欧米各国のコロナウイルス対策がうまくいっていないということだろう。あまり大きな対策をとっていないスウェーデンのグラフと比較しても、まったく変わらない。
今後どうなるか、このグラフを見て考えてみたい。
昨年の春ごろのグラフを見てみると、3月頃から死亡者数は減ってきているので、今年も3月頃には減り始めるのではないだろうか。日本はそれには遅れて4月頃にピークがあるので、今年も同じようになるのかもしれない。
ただ、コロナウイルスの感染が始まったのは、2月頃なので、それも考慮すると、収まるのはやはり3月ごろとみてもよさそうだ。そして、その傾向は従来のインフルエンザの感染状況と同じである。
私自身は、このブログでもコロナウイルスの死亡者数はもっと早く減ってくると予想していた。その予想は減るという点では外れたが、急激には増えていないので、半分は当たっていたと言ってもいいと思っている。一部の感染症の専門家は、このまま放っておくと、数十万人が死亡して、危機的な状況になると言っていたのだから。
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