2023年7月23日日曜日

「公用語」は日本語だけ?

 今日の日経新聞のネット版に『「公用語」は日本語だけ? 外国人1割超の時代に』

という記事があった。

https://docs.google.com/document/d/1qkzb0By_jIfMhoZ4pJvWf1UNqwpDP6jay_0Qq3g6XsI/edit

(全文は日経新聞の有料会員だけが読める)


この記事の主旨はその記事の最初にある文章、「日本で暮らす外国人は40年余りで人口の1割を超す。今の4倍に高まり欧米並みとなる。現役世代に限れば25年後にはそうした状況となる。もはや外ではなく内の人。学校や職場で様々な言語が交わされ、日本語だけが「公用語」ではいられない。日本生まれ前提の社会は転換を迫られる。備えは間に合いますか。」で内容は要約されている。


公用語として、日本語だけではだめで、多数の外国人もいるのだから、第2,第3の公用語を用意すべきではないかというものだ。


この記事を読んで、すぐに疑問に思ったのが、諸外国では第2、第3の公用語を持っているところが多いのだろうかというものだった。


そこで、まず、米国を調べてみた。そうすると、『アメリカには法で定められた公用語はなく、英語が「事実上の公用語」として存在しています。』という検索結果が出てきた。


私の経験では、50年ほど前だが、自動車免許を取るのに、アリゾナ州では英語かスペイン語が選択できた。当時は、英語が当然の米国で、スペイン語でも免許が取れるんだと感心したものだ。このように、米国では各州でそれぞれに応じて、言語対応している。ただし、基本は英語である。


次に英国について調べてみた。そうすると、「イギリスの公用語は英語ですが、特定の地域では第二言語として他の言語も公用語とされています。」という検索結果が出てきた。イギリス全土で英語が話されているが、ウェールズ語、スコットランド語、ゲール語といった言語も、特定の地域で公用語とされているようだ。これは、英国が、イングランド、ウェールズ、スコットランド(この3つがグレート・ブリテン)、そして北アイルランドの4つの国で成り立っているからである。それぞれの地域の言語も公用語ということである。


カナダについては、「カナダの憲法によると英語とフランス語を公用語である。しかし、州別に見ると実際に公式的な二言語システムをとっている場所はニューブランズウィック州のみである。一方ケベック州はそれの反対で1974年以来フランス語のみの一言語システムを使用している。」これも、英国の植民地だったところと、フランスの植民地だったところがあるので、それにより使い分けているようだ。


カナダのように複数の公用語を持っている国は60カ国くらいある。ただし、複数の公用語を持つ理由は、歴史的に見て、特定の地域で使われている言語を公用語として追加しているにすぎない。


この新聞記事のように、外国人が増えてしまったから、公用語に外国語を追加しようとした国は、今のところ見当たらない。そんなことをする国はまったくないと言って良い。


どうして、日本だけが、世界に率先して、外国人のために公用語を追加しないといけないのか?


公用語は、その国の独立性(アイデンティティ)を示すものであり、公用語をむやみに増やすことは、それを無くしてしまいかねないことである。この重要性を認識できていないこの記事は問題の記事だと思う。




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