2021年4月27日火曜日

英国の感染者数の減少はワクチンのおかげではない

 本日(4月27日)の日経新聞の記事に、『感染封じ込め、世界で優劣鮮明 インドは「三重変異」も』というのがあった。


読んでいて、ちょっと違うのではないかと思った。グラフを見ると、感染者数の現象はワクチン投与の時期よりも早く始まっている。記事はワクチン投与で感染者数が減少したと書いているが。


記事に以下のようなグラフが示されていて、それで英国やイスラエルはワクチンの効果で感染者が減ったように書かれている。



上のグラフを詳しく見てみると、英国ではワクチンが投与される前から感染者の数は明らかに減ってきている。つまり、記事でワクチンがさも効いているように書いてあるのはおかしい。ワクチンが本当に効果を表すのは、投与後2週間ほど経過してからという。従って、感染者数が減ってきたのはワクチンの投与の結果ではない。これはむしろ、英国では集団免疫が出てきたのではないかと考えたほうが良さそうだ。


このことに興味を持ったので、英国、米国、イスラエルについて、例によってOurWorldInDataのサイトで、感染者数の推移とワクチンの投与の状況のグラフを入手した。ちなみに日経のグラフは米国のジョンズホプキンス大のデータである。




いずれの国も感染者数のピークは2月初め頃である。それに対して、ワクチン投与した人の割合がイスラエルで50%を超えるのは3月中旬ごろである。また、英国も米国も現在でも30%を超えていない。2月初めの頃は3カ国ともにワクチンうちはじめの時期だ。


ワクチンの投与が開始されたということで、心理的な要因が出てきて、感染者が減ったのか?なぜ、ワクチンを打ち始めたら減ってきたのか、理由がよくわからない。でも、ワクチンを投与したから、感染者数が減ったとはとても言えないデータだと思う。


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