2021年10月5日火曜日

イベルメクチンはなぜコロナウイルス対策の薬として認定されないか?

 コロナウイルスの薬として、海外でも、日本でもイベルメクチンという薬が使われているようだ。インドやフィリピン、尼崎の長尾医院など、ネットでもそういう情報は流れている。


もともと、イベルメクチンというのは、日本のノーベル賞受賞者の大村智博士が、日本で発見したもので、経口駆虫薬で、腸管糞線虫症、疥癬、毛包虫症の治療薬でもある。


この薬はメルクが製造している。


このイベルメクチンは東南アジア、アフリカなど海外でたくさん使われており、駆虫薬としては日本でも、もちろん海外でも承認されている。


ただ、コロナウイルスの薬としては承認されていない。したがって、WHOなどの健康関連機関では、コロナウイルスの薬として使用することも、積極的には勧めていない。


イベルメクチンは正式にコロナウイルスの薬として認可するには、有効性や安全性をきちんと確認して、報告しないといけない。これが今のところできていない。


この有効性や安全性を確認するには、1万人以上くらいの人たちを対象にして、治験を行わないといけない。これには2つの問題がある。日本ではコロナウイルス患者が少ないので、治験に参加してくれる人を集めるのが大変である。人が集められたとしても、その治験を行うにはたいへんお金がかかる。ところが、この薬は安価で提供されているので、儲けが少なく、治験をやるだけの価値がなく、メルクは治験を実施するつもりはない。


変な話だが、薬屋はお金を儲けるために薬を開発している。だから、薬が安いと売っても儲からないので、コロナウイルス用に治験をやらないし売らないということである。企業の論理としてはこれもやむを得ないのかもしれない。売っても売っても治験の費用も出ないような薬は用無しというわけだ。企業のためにはならない。


もともと、イベルメクチンは駆虫薬なので、お金持ちの国では流行せず、貧乏な国で発生する病気のために使われている。メルクは当初からイベルメクチンの販売に積極的ではなかったのだが、当時の社長が決断を下して、イベルメクチンを作ることにした。そのおかげで、東南アジアやアフリカの国々の人達は、病気で死ぬことが少なくなった。売り先が貧乏国なので、メルクも薬代を安い価格にせざるをえなかったのだ。


現在、日本や米国などで治験が進められているので、来年にはその結果が良ければ、コロナウイルス用の薬として認可されるはずだ。


ここで問題なのは、イベルメクチンのように安価な薬は、どんなにいい薬であっても、薬屋は作ろうとしないということだ。もし、一つの薬で一生病気にかからないとか、万病に効く薬ができたら、医者は商売はあがったりだし、薬屋も儲からなくなる。


これは極端な話だが、いい薬ができて、それがある病気に一生効果があるとすると、薬は1人に一粒しか売れない。そして、その病気を治す医者は仕事を続けられない。薬屋も利益の出る商売を続けられない。


この問題を解決しないと、薬屋は100%効く薬は解決しないで、ある程度解決する薬を開発するようになってしまう。今でも、そういう事はありえるのではないだろうか。


もう一つ問題として言われているのが、イベルメクチンは経口駆虫薬として使用されているのだから、安全性という面では問題ない。どうして治験なしでも積極的に使用しないのかということである。


実は、コロナウイルスのワクチンは、特別扱いで、認可されている。認可に必要な時間をかけた治験を行わず、コロナウイルスとして採用されている。特に、mRNA型のワクチンというのは、ずっと前からインフルエンザ向けのものが開発されていたのだが、ずっと長い間認可されていなかった。今でもインフルエンザ用のmRNAのワクチンはない。色々問題があったようだ。ところが、コロナウイルスのワクチンは、コロナウイルスが流行し始めて、すぐに認可されている。昨年はやりだしたのだから、治験は1年くらいしかできていない。たぶん、感染者数や、死亡者数が大変多くなってしまったので、コロナウイルス対応に早期にワクチンを認可する必要があったためだろう。ワクチンは開発に費用もかかるが、高価に売れるので、薬屋はこの措置は歓迎だ。


ここには2つの問題が見えてくる。コロナウイルスのワクチンは、本来の手続きや治験を経ずに認可されたワクチンと言えなくもない。ということは、今後ワクチンを接種した人に悪影響が出てくる可能性がある。ワクチンを接種した人がその直後に死ぬとか、重症化するという短時間の問題ではなく、長時間経ったときにどういうことが発生するかわかっていないからだ。先のことは何が起こっても知らない。今現在の問題を解決するのが先だという理屈だろう。


では、イベルメクチンも治験をして認可する前に、積極的に使用することを進めも良いのではないかということだ。イベルメクチンそのものは、経口薬として認可されているので、安全性は全く問題がない。しかも、一度イベルメクチンを飲めば、感染するリスクは減るし、重症化するリスクも減るという話である。効果がなくても、安価なのだから、試してみても良いのではないか?


ここにもお金の問題が発生している。ワクチンは薬屋はワクチンが高価なのでたくさん儲けることができるが、イベルメクチンは安価なので儲けることができない。だから、イベルメクチンが認可されると困るのだ。ワクチンを打たなくても、イベルメクチンがあるから大丈夫という話になったら、薬屋は大損をする。


薬屋が消極的にイベルメクチンをコロナウイルスの治療薬として勧めないだけなら、まあ許すとしても、積極的にイベルメクチンはコロナウイルスに効かないとか、飲むと問題が発生するなどという話をネットなどに流している可能性も否定できない。私はその可能性が高いと思う。一部の医者はお金を貰えば、そういうイベルメクチン危険説を堂々と発言していくのではないだろうか?それはWHOなどの公共の医療保関連機関にも言えることで、かれらも薬屋の意向を無視しては、病気対応ができない。だから、イベルメクチンを積極的に使用することを勧めようとしていないのではないか?



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