2023年8月6日日曜日

「日本の国際競争力は地に落ちた」という風説

 今日、8月6日の毎日新聞の「時代の風」の欄に、「アベノミクス大合唱の中で 消費なくして成長なし=藻谷浩介・日本総合研究所主席研究員」という記事が出ている。


その記事の中で以下のようなことが説明されている。


マスコミなどが言っているように、日本の競争力が下がっているのなら、『「バブル期に比べ輸出は半減、経常収支は赤字転落』というような話になっていてもおかしくない。


ところが実際には、『輸出は1990年の41兆円が2022年には99兆円へと約2・5倍に、経常収支も黒字が6兆円から11兆円へほぼ倍増した。』という。


『「日本の国際競争力は地に落ちた」というのは上に示した数字を見れば、フェイクニュースだ。』


しかし、一方、『名目国内総生産(GDP)を内閣府の「国民経済計算」で確認すると、バブル経済で株価がピークだった89年は429兆円に過ぎなかったものが、就職氷河期の97年には544兆円に成長した。しかし、22年は556兆円と、97年から四半世紀を経たのに横ばいのままだ。』


『お金をためるばかりで消費しない富裕層や企業に満ちた日本は、生活習慣病にかかったような状態なのだ』


『生き残るために必死で若者の給料を上げる企業が増え、そうできない企業が退場していく中で、日本経済はいずれ必ず再生する』


以上のような内容で、毎日新聞の記事としては異例の内容だと思った。


私はこのところの30年くらいの間の日本というのは、世界に比較して経済的に実にいい状態で推移したのではないかと考えている。


給与はそれほど上がらなかったが、物価の方もそれほど上がらなかった。つまり、稼ぎと使うとの比率が、あまり変わらず推移したのが、この30年だったような気がする。


それを海外に見てみると、海外は確かに給与は上がったかもしれないが、物価の方もそれに比較してさらに上がっている。給与は上がったというが、高額所得者はどんどん収入が増えたのだが、低所得者はほとんど給与が増えなかった。


2022年に、日本で390円のマクドナルドのハンバーガーが、米国では710円という数字があるが、今年はさらにその差は拡大しているようだ。


こう考えてみると、日本の経済状況というのは、収入はそれほど増えなかったが、物価もそれなりに安定しており、変化の少ない経済状況で、この30年間をすごしたことになる。ここに来て、いろいろのものが値上がりするというニュースを目にすることが多くなったが。


国の経済成長という意味では、このままで良いかという問題はあるが、上のような角度で日本経済を考えてみると、大きな問題としてとらえる必要はなかったのではないかともいえると思う。


そして、現在の状況に加えて、国民の消費を大きく増やすことで、さらなる発展も考えることができるのではないだろうか?


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