あなたは、AIが人間の1年分の努力をたった5分で再現できることをご存知ですか? 11月21日の朝日新聞デジタルの記事によると、人間が1年間かけて努力して見つけたものを、AIでは5分で見つけ出せるという話が出ています。
「『1年の努力、5分で再現」』ノーベル賞で注目のAI、科学界に衝撃」という記事です。
この記事では、東京大学発の創薬ベンチャー「ペルセウスプロテオミクス」の横川拓哉社長が、Google DeepMindのタンパク質構造予測ソフト「AlphaFold(AF)」について、「創薬の進め方を変えてしまうほどのインパクトをもたらしている」と語っています。
Wikipediaによると、「AlphaFold(アルファフォールド)」は、タンパク質の構造予測を実行するGoogle DeepMindによって開発された人工知能プログラムです。このプログラムは、タンパク質の折り畳み構造を原子の幅に合わせて予測する深層学習システムとして設計されています。
さらに、「抗生物質との複合体の完全な原子構造の決定に成功」などの業績で、ノーベル賞を受賞した、構造生物学者のヴェンカトラマン・ラマクリシュナンはこの結果を「タンパク質の折り畳み問題における驚異的な進歩」と呼んだと書かれています。
DeepMindの実力は、化学の分野で画期的な成果を上げることが、朝日新聞の記事だけでなく、様々なところで取り上げられており、実際にそれが成果につながっているようです。
今年のノーベル賞でも、AIによる成果で、物理学賞と科学賞に贈られました。ノーベル物理学賞は,「人工ニューラルネットワークによる機械学習を可能にする基礎的発見と発明」の功績で,米プリンストン大学のホップフィールド(John Hopfield)名誉教授とカナダのトロント大学のヒントン(Geoffrey Hinton)名誉教授に授与されています。ノーベル化学賞は「コンピューターを用いたタンパク質の設計」の功績で米ワシントン大学のベイカー(David Baker)教授に,「コンピューターを用いたタンパク質の構造予測」で英国Google DeepMindのハサビス(Demis Hassabis)氏とジャンパー(John Jumper)氏に授与されています。
人間が長時間かけて努力しないと見つけられなかったものを、AIは短時間で解決してしまう。こうした成果は、物理や化学だけでなく、経済等の他の分野でも出て来るのではないでしょうか。 AlphaFoldによるタンパク質構造予測は、創薬だけでなく、医療や材料科学など様々な分野への応用が期待されています。
AIの進化は、私たち人間の生活や社会に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。今後の発展に、ぜひ注目していきましょう。
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