将棋の藤井四段が29連勝したのは記憶に新しい。
私も藤井四段がこんなに連勝するとは考えていなかった。この連勝記録を過去の連勝記録と比較するのは難しい。相手のレベルも違っているし、逆に藤井四段が新人であるということもあり、条件が違うからだ。しかし、記録としてはすごい記録であることには間違いはない。
藤井四段が強い理由として一部のマスコミでは、最近名人も破るようになったAI(人工知能)を使ったコンピュータ将棋が貢献していると言っている。
しかし、これはちょっと違うのではないか。というのは、藤井四段がコンピュータ将棋を使用しだしたのはつい最近のことで、それまでは使っていなかったのだ。使いだしたのは、昨年5月頃に千田六段に勧められてからだそうだ。コンピュータ将棋の局面の評価を自分の将棋の形勢判断に役立てるようになったという。このコンピュータ将棋を藤井四段が早期に使用しなかったのは、師匠の杉本七段の方針だったようで、あまり早い時期からコンピュータを使った将棋をやるのは、良くないという考えからだったようだ。
私はこの考えにはちょっと疑問を持っていて、できるだけ早い時期からコンピュータ将棋と対戦しておくことは必要だと思っている。強い相手と対戦するというのは、いつの時期でも必要なはずだ。もちろん、その対戦で将棋に対する意欲を失ってしまうようでは困るのだが。
藤井四段がコンピュータ将棋を利用したのは、前述のように局面の評価というものだった。これも大切なコンピュータ将棋の利用の一つである。
しかし、そういう使い方だけでなく、実際に対戦するというのが重要だ。特に若い将棋の卵にとって、強い棋士との将棋対局というのは、ものすごく価値のあるものではないだろうか。強い相手と将棋をしない限りは、実力を上げるのは難しい。だからこそ、将棋を強くなろうという人は、強い相手のいる将棋センターのようなところに行って将棋を指すとか、強い先生について将棋を覚えるわけである。ただし、そういう場所に行っても、いつでも強い相手と将棋がさせるわけではない。
この問題を、コンピュータ将棋は解決してくれる。いつでも、どこでも、コンピュータさえあれば、強い相手が対戦してくれる。相撲のぶつかり稽古と同じで、強い相手にぶつかっていくことで、自分が強くなれる。
今後、コンピュータ将棋や、ネット将棋がますます普及することを考えると、そういう将棋の稽古をしながら、自分の将棋の腕をあげてくる若い人が出てくる可能性は高い。今までのように、有段者の先生の塾に通って、自分の腕を上げていくというパターンではない棋士が誕生することもあるような気がする。
その意味では、現在のAI将棋というものは、まだまだ進歩する余地があるのではないかと思う。特に、将棋を教育するという立場での利用というものだ。例えば、その実力を好きなようにすることが出来て、自分のレベルに合わせてくれるコンピュータ将棋といったものだ。既に、そのレベルを変えることが出来るソフトは出ていると思うが、その変え方はまだまだ入り口の段階で、完成されていない。
将棋ではないが、アルファ碁がその開発を終了してしまうというのは、大変もったいない気がする。アルファ碁の目的は、人間にコンピュータが囲碁で勝つということだけだったとしたら、それで良いかも知れない。しかし、AIの研究の目的というのはその先にもあるのではないだろうか。
2017年7月18日火曜日
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