2017年7月21日金曜日

アルファー碁の開発はなぜ継続しないのか

アルファー碁が囲碁の名人に勝って暫く経つ。10年前にはコンピュータが囲碁の名人に勝つのはもっと掛かると言われていたのだが、その予想を覆して目的を達してしまった。

その後、開発者の1人であるデミス・ハサビスは「人間との対局はこれを最後とする」と発表した

これを報道したサイトは、「アルファー碁は引退する」と表現している。

デミス・ハサビスは「人間との対局はこれを最後とする」と発表した。私はこのタイトルを見て、「えっ、もう開発はやめてしまうの?」とびっくりした。つまり、開発目的は単に囲碁で人間に勝つことだったのだと思ったのだ。

しかし、本当はもっと先の長い話があるはずである。よくよく、いくつかの記事を見ていると、アルファー碁を開発したチームは、今後も開発を継続していくという。

その一つが、囲碁初心者向けの学習ツールの開発である。どんなツールが良いのかはわからないが、まずは囲碁の実力を落として、対戦相手にふさわしい実力で戦うようにすることだろう。これ以外にも、「次の一手」などといった問題集の自動作成もありうるのではないだろうか。囲碁の初心者が、楽しみながら、効率的に囲碁を学んでいくツールができれば良いと思う。

それよりも興味があるのが、さらなるアルファー碁の進歩だ。人間の囲碁名人に勝ったのは単なる途中の成果で、今後はさらに強いアルファー碁を作っていくというものがある。究極の最強のコンピュータ囲碁ソフトというのは、どういうものになるのか。最強として、それ以上強くならないという囲碁ソフトが出来るのか?出来るとしたら、それはどんなソフトなのか。これは興味深い話だと思う。この方向の開発に関して、あまり関心がない人が多いように思うのだが、それも私は不思議に思う。もっと、今の開発を追求しても良いのではないかと思うのだ。

アルファー碁の開発チームは、医療分野など囲碁以外の分野へのAI応用を考えているようだが、これはちょっとむずかしいのではないかと思う。アルファー碁を開発した手法がそのままその他の分野に簡単に応用できるとは思わないので。もちろん、AIの各分野への応用は重要なテーマだが、アルファー碁の手法がそのまま活かされるというのは考えにくい。

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