ヨーロッパの国の中で唯一厳しいロックダウンを出さずに、コロナウイルス対策をしてきたのがスウェーデンである。
私は3月頃からスウェーデンのこの対策に注目して、感染者数や死者数に関心を持って見ていた。それは、ロックダウンなどを行うよりも、ソーシャルディスタンスなどを取ることで、被害は防げると考えていたからだ。ロックダウンで影響を受ける経済面の問題がより深刻だと考えたからだ。
上の2つのグラフは
スウェーデン、英国、ベルギー、ノルウェー、デンマーク、ドイツ、日本、韓国
の百万人あたりの7日で平均死者数のグラフである。上は線形表示、下は対数表示になっている。日本と韓国、それ以外の国で差がありすぎるので、対数表示の方がわかりやすいかもしれない。(グラフの入手先はOur World of Data)
このグラフを見ると、スウェーデンは近隣のノルウェーやデンマークとはかなりの差があるが、英国とはそれほどでもないことがわかる。
したがって、ロックダウンを実施した英国とほぼ同様の死者数割合で推移しているということだ。
いずれにせよ、このグラフを見ると、ロックダウンを実施したほうが良かったと言ってよいように思える。
しかし、スウェーデンのコロナウイルス対策の推進者、主任疫学者、アンデルス・テグネル氏はそれほど悪い結果ではないと言っている。失敗した点は、老人ホームなど老人が多く住んでいるところのクラスター発生を押さえられなかったことだ。
たしかに、スウェーデンのし者の年齢別割合を見ると、老人が多い。死者に老人の割合が高いのは、いずれの国でもそうなのだが、特にスウェーデンの場合にはそれが目立つようだ。
従って、もう少しきちんと老人ホームなどの施設での老人に対するケアを慎重に行っておれば、近隣諸国とも差のない結果になったはずだというのが、テグネル氏の意見である。
ロックダウンを行わなかったので、経済的には被害を受けなかったのか?これもチェックしないといけない点だ。この面での現在までの状況では、スウェーデンもかなりの影響を受けたことが判明している。
しかし、お店などをしめる必要がなかったことで、ロックダウンに伴う影響は他国よりは小さかったと思われる。また、スウェーデンだけがロックダウンをしなくても、ヨーロッパ各国がロックダウンを実施他影響は、スウェーデンも受けたはずで、その点も考慮する必要があるだろう。
いずれにせよ、上のグラフを見る限り、今年末くらいにならないと、スウェーデンのコロナウイルス対策が良かったのか、どうかということは判明しないと思っている。
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