2020年3月13日金曜日

コロナウィルス対策を考える(その6):英国はなぜ一斉休校しない?

昨日、英国でのコロナウィルス対策の状況が報告された記事がネットに出ていた。
一つは朝日新聞のデジタル版である。
その記事は『集会自粛も学校閉鎖も「しない」 英国が言い切る理由は』という表題である。朝日新聞デジタル版の以下のところにある。
https://www.asahi.com/articles/ASN3F469QN3FUHBI00F.html

実はこの記事は有料版で、お金を払わないと全文が読めないので、他に記事がないか探した。そうすると以下の記事が見つかった。

「なぜ一斉休校しないのか?英国の首席科学顧問がお答えします」
https://www.bbc.com/news/uk-51865915

この判断の根拠は、「英国は既にコロナウィルスが国内に侵入してくるのを止められなかった。これからはコロナウィルスが国内で広がっていくのを防止する段階に入った。」という状況と考えたからだそうだ。
そして、国民にはその対策として以下のようなことをお願いしている。
(1)ハッピーバースデーを2回歌いながら石鹸と温水で手を洗う
(2)熱や咳の症状がある人は1週間、自宅で自己隔離→ピークを20~25%削減
(3)家族全員を自宅で隔離→ピークを25%削減(未実施)
(4)新型コロナウイルスに脆弱なお年寄りをケア→死亡率を20~30%削減

私は前の記事でも書いたが、日本もすでに国内で拡散している状況なので、早くこういう認識で対策を国民にお願いすることが大切だ。ただ、日本人は結構潔癖症なので、手を洗うなどのことなど、一般にコロナ対策と言われていることは、ほとんどの人がやっているのではないかと考えている。

コロナウィルスの拡散を防止する対策として、クルーズ船のウィルス対策のビデオで有名になった神戸大学の岩田健太郎教授もそのブログで、以下のようなことをするように勧めている。
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1.風邪をひいたり体調を崩したら家で休む。社会もそれを許容する。
2.しんどくなったらマスクを付けて速やかに病院を受診する。しんどくなければ必須ではない。しんどさの基準は個人差があるので個々の判断で。
3.自宅に家族がいれば、病気の人はマスクを付けて、神経質に何かに触るたびに手指消毒をする。何度でも。
4.仕事や学業を効率化する。人が集まらねばならない会議は最小化してメールでできること(特に連絡事項)はすべてメールやチャットなどでやる。自宅でできる仕事も自宅でやる。
5.医療リソースと公衆衛生リソース(役所含む)を大切にする。モノと人。マスクを無駄遣いしない。人も無駄遣いしない。すぐに病院に駆け込まない。「何かあったらすぐ病院に」と勧めない。夜中の記者会見など無駄なことはしない。というか、記者会見もチャットでやるといい、昼間に。
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安倍首相が思いつきのように指示を出した学校閉鎖だが、それに従わなかったいくつかの自治体ではその後ウィルスの発生があったという報告はない。その結果を見てかどうかはわからないが、来週の月曜日から学校を再開するところがいくつか出てきた。大阪市は松井市長が来週から再開はしないが、4月からは再開すると話をしている。徐々に学校は正常化されるはずだ。

学校だけでなく、その他のところでも、警戒はしつつ、それでも元の状態に戻す動きが徐々に出てくると思われる。ウィルスの犠牲者対策だけやっていると、その他の問題が犠牲になってしまうからだ。どちらの犠牲者対策を優先して取るかは判断が難しいところだが、どちらを優先しても、批判にさらされやすい判断を誰か(?)がやらないといけない段階に来ていると思う。そして犠牲者を減らすために早くやらないといけない。

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