2020年3月24日火曜日

コロナウィルス対策を考える(その12): K-1の開催は是か非か

キックボクシング団体「K-1」の大規模イベントが22日に開催された。新型コロナウイルスによる感染拡大を防止するため、西村経済再生担当大臣と埼玉県が自粛を要請していたのにも関わらず。

その後、イベント参加者のなかに「発熱症状が出た」としてPCR検査を受けていた方がいるという報道が、24日に夕刊フジからあった。

主催者側は自粛要請を拒否した。その代わりと言っては何だが、入場者にマスクを配り、万一、感染した場合に追跡調査できるよう、チケットの半券に氏名や住所、連絡先を記入させるなどの対応を取った。

これに対して、どうして中止をしなかったんだという主催者側に対する批判や、中止した場合の補償について明確にしない行政に対する批判がツイッターなどで出てきている。

私は主催者側に対する批判よりも、中止した場合についての保障を示さない、あるいは示せない行政側に対する批判の方に近い。

K-1側にすれば、開催を行わなかった場合、巨額の損失が出ることは目に見えている。それが出ないようにするには、開催するしか方法はなかった。行政側はなにも保証してくれない。K-1の主催者は、大きな企業とは言えず、ここで開催しなければ死活問題になっていたかも知れない。(まあ、この議論に企業の大小は関係ないが。)

この問題は、実はK-1だけに限らない。色々のレジャーランドが閉園しているが、この閉園期間に発生する損失について、政府は何も具体的に言及していない。あるいは、コロナウィルス拡散の影響で仕事がなくなってしまったフリーランスの救済に関しても、具体的な救済案が示されていない。これについては結局十分な保障は出せないだろう。企業だけでなく、個人のレベルにまでこの問題は波及してきている。

どうも、政府はそのうちに僅かな保障金をばらまくだけで、ことを済ませてしまうのではないかと思っている。コロナウィルスの発生でこうなったので、政府の責任ではないと。

だから、K-1のように救済策が出ない場合には、なんとかこれをきりぬけようと考えるのが普通である。K-1を批判している人がお金を出してくれるわけではない。

今回、K-1の会場に行った人の中から「発熱症状が出た」という報道があったが、開催直後に発熱したのなら、それはK-1に出かけたからではない。発症するのには2週間ほど時間がかかるので、もし感染していたとしても、他の場所で感染した可能性が高い。2週間ほど経過してから、感染する人が出てきたとすると、確かにK-1に参加したからかもと言えるが。

K-1にでかけた人たちも、コロナウィルスの感染の危険性は熟知していて、それでも出かけたわけで、感染したとしても責任はその人達にある。コロナウィルスに罹患するのがいやなら、出かけなければ良いわけだ。この面からもK-1の開催者だけを批判できないと思う。

確かにこの種のイベントが次々と開催されると、コロナウィルスが蔓延する可能性は高くなり、患者数が増えて、その対応が間に合わなくなるという可能性はある。これも、参加者がきちんと自覚して、手洗いの励行やマスクの着用を行うことで、かなりの割合で防止できると思うのだが。

自粛、自粛などと言っていると、そのうちに日本経済が疲弊してしまう。そちらの方を心配しないといけない状況ではないだろうか。


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