児童生徒に一人一台のパソコンという構想には賛成だが、そのやり方には疑問があると。現在のやり方では費用がかかりすぎるということだ。個々にパソコンをもたせるのではなく、クライアント型の端末をもたせることで、費用は少なく出来るというものだ。その理由などについての詳細は週刊ポストの記事を読んでもらいたい。購入はできなくても、図書館などにおいてあることもあり、今ならネットでも読むことが出来るはずだ。
文科省のサイトには「GIGAスクール構想」の情報が「GIGAスクール構想の実現について」という表題で提供されている。以下のところだ。
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm
このサイトと関連するサイトの説明をざっと見てみて、すぐに思ったのが、専門家がどのように絡んでいるか、全くわからないということである。
文科省はすでに「GIGAスクール実現推進本部」というのを設置している。しかし、そのメンバーはどう見てもこういう情報系の話には強くない方々だけが名前を連ねている。専門家は全くいない。
こういう推進本部のメンバーには、専門家が名前を連ねる必要はないかも知れないが、それでも専門家委員会などこういうシステムに詳しい方々が参画する部門がどこかにあってしかるべきだ。しかし、それはどこを探してもないようである。
小中学校の児童にパソコンを一人一台渡せば、それで教育ができると考える人はまさかいないだろう。パソコンを渡して、それを効果的に教育に活かすはどうするかを検討しないといけない。
それと同時に、そういう教育体系をつくるためには、どういうシステムを構築しないといけないのか。ということも考えないといけない。
これを考えていくと、実は簡単ではないことがわかるはずである。たぶん、現場では困っているのではないだろうか。児童一人一人にパソコンを与えればそれで終わりというわけには行かないはずだ。
大前氏のように、パソコンシステムを安価に構築するアイデアを言ってくる人もいるだろう。どういうパソコンを自動に渡すのが良いのか。そういう提案をしてくる人もいるだろう。単に、パソコンを売る良い機会だと捉えて、売り込みを書ける人もいるはずだ。
パソコンを使用したら、従来の教育よりも良い教育ができるのか。この点でも色んな人が異なって意見を言ってくるはずである。
例えば、教科書はデジタル化して、紙の教科書をなくすなどという話が、GIGAスクール構想の中にも出てくるが、本当にそうだろうか。紙の本を読むということが意味がある場合もあるはずである。
プログラミングの教育に役立つという話もある。確かに、プログラミングをするにはパソコンを持っていることは良いことだが、その前に、プログラミング教育をする人材を育てないといけないし、どういう教育をするかを考えないといけない。どのプログラミング言語を教えるか一つとっても、難しい課題だ。
校内にLANを張り巡らせるのに、「校内LAN整備の標準仕様」を提示するというのが書かれているが、これ一つとっても、仕様作成はなかなか難しい。そしてその仕様で実際に学校が導入するとして、殆どの学校はこういう情報システムの導入に詳しい人が少ないので苦労するだろうなと推測する。業者に良いようにあしらわれる可能性は高い。
考えていくと、色々事前に考えておかないといけないことが多い。それが本当に専門家の意見を取り入れて計画されているのだろうか。気になってしまう。
事前にすべてのことを考えておくというのは難しいかも知れない。しかし、最適なシステムを構築していくにはどういうようにしていくのが良いのかは、きちんと考えておかないと膨大なお金の無駄遣いと、膨大な時間の無駄遣いをするような気がしている。
私の提言としては、とりあえず、こういう教育に進んでいる米国などの状況を調べて、それをもとにどういう形でGIGAスクール構想を進めていくかを考えるのが良いと思う。
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