2022年9月25日日曜日

このところの円安について

 円安が進行中だ。1ドル145円を超えて進んでいる。


マスコミではこの円安の問題点だけを書いて、不安を煽っている。


しかし、マスコミの中にもそれとは違った面で見る記事も時々見かける。その一つが東洋経済オンラインに出ている以下の記事だ。表題は{ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた}というものである。

https://toyokeizai.net/articles/-/619077


私も円安は問題もあるが、メリットもあると見ている。上の記事にもいろいろの良い点が書かれている。


今回の円安はドルやユーロに対して円が安くなっているだけではなく、世界中で円だけが安値に振れていると言っても良いかもしれない。


そもそも、日本が戦後好景気を継続できたのは、円安のおかげだ。もともと円はドルに対して360円という定額であった。この円安のおかげで、日本はいろいろのものを安く外国に売り捌くことができて、それによって大きな利益を得てきた。


この円安では日本の輸出品に対して対抗できないということで、円ドルの交換レートが固定でなく、変動に移行した。


それでもその後も長い間日本は交換レートが次々と変わって行っても、輸出を大きく伸ばす事ができ、利益を享受できた。これぞ円安のおかげだ。


だから、今回も円安に触れてくれているということは、デメリットよりもメリットの方が大きい。


原油の価格が円安で高くなったので、ガソリン代も高くなっている。しかし、米国の状況を見てみると、日本のガソリンが上がっているという状況よりもひどい状況で高くなっている。以下のグラフを見てみるとわかる。


1月ごろは1リットル、0.87ドルだったのが、6月には1.3ドルに上昇した。実に1.5倍の価格になっている。

実はガソリン代は世界的に最近下落してきている。それでも米国では8月は1.05ドルなので、20%も高くなっている。日本のガソリン価格も結構上昇しているが、その比ではない。


これはガソリン価格だけでなく、その他の物価も高騰している。だから、米国のFRB(米国連邦準備理事会)は、どんどん利上げを継続している。それによって、景気の引き締めを行い、物価の上昇を止めようとしているのだ。


これは米国だけでなくヨーロッパなども同じような状況で、世界の殆どの国が物価高に苦しんでいる。物価上昇が止まらない。その上昇も非常に大きい率で進んでいる。


それに引き換え、日本では今頃になっていろいろのものが値上げされるようになってきて、問題になっている。しかし、よくよく見てみると上に例としてあげたガソリン価格のように、価格の上昇率が全く異なる。日本は上昇率が低いのだ。


世界中の中で、日本だけがほとんど物価高の問題が出てこないで、安穏としている。


今まで日銀が2%の物価上昇を目標にしてきて、今、この円安でその目標を達成しようとしているのだが、変な話だ。2%の物価高が達成しないときには、それを問題視していたマスコミが、いざ円安で物価高の目標が達成しようとすると、それを問題視する。


日本は世界に比較して、物価が比較的安定している。米国などの場合に、物価上昇が大きくても、それを上回る給与の上昇があればいという話があるが、今の状況はそうではない。給与の上昇が物価高に追いついていない。


明らかにこの円安が日本にとって状況を改善できるチャンスである。




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