2020年10月4日日曜日

世田谷区がPCR検査を全員にやると言った世田谷モデルはどうなったのか?

 世田谷区長が世田谷区の全員に無料でPCR検査とすると言い出したのは、7月下旬の頃だ。


これを世田谷モデルと呼んで発表当時評判が良かった。しかし、この世田谷モデルが暗礁に乗り上げているらしい。


世田谷モデルを区長が言い出したときには、各新聞やテレビなども取り上げたものだ。しかし、現在の状況に関して報道するメディアが見当たらない。


「世田谷モデル」で検索してみると、産経新聞が9月24日に『PCR検査「世田谷モデル」暗礁に乗り上げる 財源、受け皿の確保に課題』という題で、記事にしているだけだ。


このモデルは、通常のPCR検査をするのではなく、4人ほどの検体をまとめて一斉に検査することで、経費や時間などを削減しようとした。しかし、この方法は国からその検査費用が出ないということで、実際には実施されていない。


さらに、世田谷区の医師会からは「世田谷モデル」事業と、世田谷区医師会PCR検査とは全く関係ないと言われてしまっている。医師会は症状のある患者だけにPCR検査をすると明言している。


結局、世田谷モデルは実施されず、従来どおりのPCR検査が行われているに過ぎない。この失敗を取り繕うように、他の地区でも行われているような、介護施設職員と保育士の検査の実施を行うのに加えて、「障害者施設の職員」まで検査を拡大する計画のようだ。


この世田谷モデルは区長が一人で発案したようで、前述のように世田谷区医師会からは無視され、議会からも反対の声が上がった。区長のコロナウイルスに対する認識の甘さがこういう事態を発生したと考えられる。国からの補助に関しても勉強不足が露呈している。


もともと、PCR検査はその時点でコロナウイルスに罹っているかを検査するもので、その後に、例えば1時間後にコロナウイルスに罹っても見落とされてしまう。さらに、検査で見つかる陽性者は7割程度で、3割は見落とされてしまうのだ。


こういう検査を一斉にしようという発想自体が問題だった。


コロナウイルスに罹った人は、自覚症状などがあり、そこで病院で本当にコロナウイルスに罹っているのか、他の病気、例えば風邪なのかを判断すればいい話だ。10月4日現在の検査人数が、1,942,648人、検査陽性者数が、84,903人である。現在の体制では、ひょっとして感染しているかもしれないという人を主に対象にして検査しているのに、4.3%くらいが陽性ということだ。やたらに検査したら、この陽性率はもっと減るはずである。


「世田谷モデル」などという大胆な計画を打ち出すなら、もっと科学的な考察を入れて清朝に提案してもらいたいものだ。


それにしても、マスコミはこういう結果に関してほとんど報道しない。何人かの感染症専門家などが、1ヶ月後には、とか2週間後には、とか言って、感染者が拡大するとか、死者がたくさん出ると言う発言をしているが、それのフォローもきちんとしてもらいたいものだ。危ない、危ないと言っている方が問題ないという風潮も問題である。もう少し当たらずとも遠からずという的確な予想をやってもらいたいし、マスコミには報道してもらいたい。



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