中国政府は7日、新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策を大幅に緩和する方針を打ち出した。「ウイズコロナ」への転換である。
日本のマスコミは、このウイズコロナ政策でコロナウイルスの流行が起こると期待しているような記事を書いている。
例えば、北京で陽性者が激増しているというような記事である。例えば、毎日新聞の「北京で新型コロナ感染急拡大 警戒広まり規制緩和でも人影少なく」という12日付の記事などはいい例だ。
中国のコロナウイルス関連のデータはあまり信用出来ない。コロナウイルスは武漢発生の病気で、その発生時点からきちんとした情報が中国政府から流れてこなかった。それが、世界的なコロナウイルスの流行を推し進めた原因の一つである。
データがはっきりしないので、陽性者が激増しているというのも、本当にそうなのかどうか?わからないというのが正しい。そもそも今までのデータがわからないのだから。
この3年間の中国のゼロコロナ政策を見ていると、結局コロナウイルスを抑え込めることができなかった。中国政府当局は抑え込めると確信していたと思うのだが。この結果、中国国内でその制作に不満をいだいた若い人たちを中心に、ゼロコロナ政策に対するデモが発生した。現在の中国でこんな事が起こるとは意外だった。
その結果としての、中国政府のゼロコロナ政策転換だ。
ずっと緊急事態宣言を出していたのと同じ状況が続いていたと思うので、人がたくさん集まるということはあまりなかったはずだ。しかし、コロナウイルスはそういう対策を取っていたとしても、感染が広がる。日本がそのいい例だ。中国でも時々大きな流行があり、それがニュースになっている。ニュースになるほど感染者数が多く出た結果だろう。
ただ、ゼロコロナ政策をずっと取っていたこともあり、日本に比較するとその感染の広がり方は少なく、結局コロナウイルスの感染した人が人口比で考えると少ない。したがって、これからも感染する人は増えると思われる。
それでも、現在のオミクロン株による死亡者数などをみてみると、武漢で流行り始めた頃に比較して、非常に少なくなってきている。ということは、中国でそこそこ流行ったとしても、死亡者数は少なく、大きな問題になることはないだろう。
この政策転換は、日本政府と比較すると、素早い動きになると考える。それは現在問題になっている中国経済の停滞に対するカンフル剤になるのではないか。昔のような経済発展は取り戻せないが、とりあえず、停滞からは脱する可能性が高い。
それが、日本政府のコロナウイルス対策に影響を与えるかもしれない。まあ、そんな時まで待っているのでは、日本はどうしようもないのだが。
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