OnHubは先月販売が開始されたばかりだが、それには今後のGoogleの戦略が見えるような気がする。
OnHubは単純に考えれば今までの製品で言うところの無線LANルーターである。それの機能強化版と考える人もいると思うが、それほど単純ではない。この機器にはGoogleの将来に向けた戦略が見えるように思える。それは、Googleだけでなく、MicrosoftもAppleも狙ってきているものだ。
OnHubにはGoogleが昨年買収して今年販売を開始したNestの機器と大いに関連がある。Nestはホームオートメーションシステムを目指しているが、このベースとなるステーションがこのOnHubではないかと思う。
Nestでは今まで火災報知機、監視カメラ、電灯などを製品として提供してきている。今後も家庭内のいろいろの機器を製品として導入してくる予定だ。
ところが、これらの機器を接続する無線LANルーターがホームオートメーションを実現する上で、機能の面で障害になっていると考えているようだ。そのため、通常の無線LANルーターの数倍もするような価格でOnHubを導入してきた。
火災報知機や監視カメラに無線機能を持たしたところで、確かにホームオートメーションというものはできるかもしれないが、むしろそれらを接続する無線LANルーターに多くの機能をもたせることによって、ホームオートメーションシステムが更に便利に使いやすくなると考えていると思われる。それがChrome OSの搭載にもつながっていると思う。
従って、OnHubのソフトはまだまだ開発途上なのだ。現状のNestで開発された機器の単なる接続ではなく、さらなる使いやすさ、総合的な機能強化を図ることを計画していると思われる。つまり、アプリケーションなどはどんどんアップデートされると見て良い。
例えば、部屋の温度コントロールにしても、エアコンだけでの設定であれば実に単純なのだが、そうではなく、例えばお風呂の湧き具合によってその温度コントロールを変えて、湯上がりなどの温度に対応するというようなことが考えられる。
もちろん、通常無線LANルーターに接続されているパソコンやスマホも例外ではない。これらの機器を使うことによってさらにホームオートメーションを良くすることは当然考えられている。
どのスマホからでも家庭内機器がコントロールできるということは、外出先でもコントロールができるし、家庭内の誰でもコントロールが可能で、どのスマホがメインのコントローラかなどもOnHubで制御が可能になる。
ただ、この手のホームオートメーションはもう十数年前から考えられていたことで、なかなか家庭内に浸透していない。当然、その浸透していない理由などは考えたうえで、ホームオートメーション事業を進めようとしているのだろう。GoogleのNestとOnHubを使用したホームオートメーションがうまくいくのかどうか、判断は今のところなかなか難しい。
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