幸畑墓苑・八甲田山雪中行軍遭難資料館に行ってきた。有名な八甲田山雪中行軍の犠牲になった人たちの墓地がある。
また、資料館には当時の行軍の状況などを紹介する資料がたくさん並べてあった。この資料館が作られたのは平成16年なのでつい最近のことである。
ここでは、説明をしてくださるボランティアの方がおられて、特に墓苑内の石碑や慰霊碑などの説明や、八甲田山雪中行軍遭難事件に関してわかりやすく説明していただいた。
この遭難事件は、新田次郎が小説にしており、それに基づいた映画も作られている。ただ、説明員の方によると小説も映画も事実とは違い、フィクションであるとのこと。
2つの行軍計画があり、同じ時期に行軍を行ったのだが、片方は誰も犠牲者を出さずに行軍を終えたのだが、もう一方の方は210人中199人が亡くなっている。この明暗の対比も悲劇を記憶するのに重要な役割を果たしているようだ。
行軍の目的は、近い内にロシアとの戦争が始まるという想定で、ロシア軍が来たから攻めてきて青森に上陸したときに、それに対応するために行われた。ロシア軍の駐留地を迂回して、陸路物資を運ぶことを想定していた。
遭難が判明して、救援隊が捜索を開始したときに、雪の中で立っている後藤伍長を発見したというのが印象深い。この時、後藤伍長は気を失っていたようだ。それでも、後藤伍長は生き残った人たちの一人である。
この部隊の指揮をとった山口少佐は救助されたのだが、その1日後には亡くなってる。この死亡原因に関して、いろいろの説があり、殺されたという話もあるが、実際のところは不明のままである。
これだけでなく、いろいろの情報が当時の軍部の情報操作により隠蔽されたようだ。本来なら、こういう事故について、その後いろいろと対策を考えないといけないのだが。ただ、こういう場合、事前に調査を十分に行い、さらに専門家の意見を聞くとともに、良い案内人を同行しないといけないということははっきりしている。
2018年10月21日日曜日
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