昨日、妙心寺に行き、その法堂を見学した。案内役がいて、その方が上手に説明をされる。見学料は500円。20分か30分おきに、見学したい人をまとめて、案内が行われる。実際には法堂だけではなく、浴室も案内してくれる。
法堂には狩野探幽が8年がかりで描いたと言われている雲龍図を天井に見ることができる。
法堂は日常では大きな法要儀式を行うところで、正面に須弥壇が置かれている。ここに住職がすわって法要を行う。法堂の中は周りが畳敷きで、真ん中は長椅子が20~30脚ほど置かれている。
雲龍図は直径12mほどの大きさである。案内されて一番最初に入口から右手に入り、雲龍図を眺める。その後その反対側に回って、雲龍図を眺める。そして、最後は真ん中あたりで、長椅子の上に寝そべって眺める。
そのそれぞれで、雲龍の姿が変わって見えるのが面白い。方向によって、登っているように見えたり、降りてきているように見えたりする。
探幽は龍を描くのに、龍が想像上の動物のため、胴体は蛇、口はワニ、爪は鷹か鷲、などそれぞれいくつかの動物を参考にしたようだ。そして、最後に龍の目に目玉を書き加えたらしい。
実際に絵を描くのは何枚かの板を立てて、それに描いていったという。そして、それを天井に貼り付けたのだ。
法堂の柱は檜で作られており、遠く埼玉あたりから持ってきたと言われている。長いまま持ってきたので、曲がり角を回るのが大変で、そのあたりに建っていった家は立ち退いてもらったという。
柱は1本の大きな柱を4つに割り、それを丸くして使用した。木の芯を避けることによって、割れることを防いだのだ。
残念ながら法堂内は撮影禁止なので、上の絵は見学のときに頂いた絵をスキャナーでコピーしたものである。少しスキャナーのサイズより絵が大きいので、縦横一部がコピーされていない。
法堂内には、入り口左手の角に「黄鐘調の鐘」と呼ばれる梵鐘が飾られている。もとは浄金剛院にあったものだが、廃寺になったため妙心寺に移された。昭和48年までは使用されており、NHKのゆく年くる年などでもその音色を聞くことができた。鐘に細かいひび割れが見つかり、ずっと使用していると鐘が割れてしまうということで、使用中止になってしまった。
鐘を突く位置が鐘の真ん中あたりにある。上のあるものほど、年代物だそうだ。日本最古の鐘らしい。銘に戌戌年(698年)筑前糟屋評造とある。
鐘の音は実際には聞くことができないが、その音を録音したCDが出来上がっており、見学ではそのCDの音を聞いた。
2018年10月24日水曜日
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