2020年7月4日土曜日

コロナウイルスのPCR検査数の不思議

昨日のブログで東京都の PCR 検査数について疑問を投げかけたつもりだ。その結果がどうかわからないが、東洋経済オンラインのグラフの説明にPCR検査数についてのコメントが追加されていた。

そこで東洋経済オンラインのグラフではなく、その他のサイトでPCR検査数について記述したものがないかどうか確認してみた。なかなかそういうサイトが見つからない。都道府県別に、PCR検査数の毎日の推移を紹介しているサイトだ。

結局、厚生省の厚労省のコロナウイルスに関連するサイトのデータを使うしかないようだ。このサイトはやはり信頼がおけるサイトで、色々のデータが表示されている。ただし、私の探しているものは表示されていない。

コロナウイルスの検査数については、6月までの状況を示した報告が出ている。しかし、残念なことに、毎日の検査数についてのデータが表示されていない。サイトを作成されている方にとっては、検査数については、毎日の検査数を表示するので、それで十分ということなのかもしれない。

検査数だけではなく、コロナウイルスのいろいろのデータについては、その把握がなかなか難しいものがあるというのが、データを探しているうちに、わかってきた。


ここであげている PCR 検査数であるが、厚労省がまとめているのは、各都道府県からのデータを吸い上げて、その合計を数値として示しているに過ぎない。ところが、各都道府県のPCR 検査数に関していうと、それぞれの都道府県で数字として報告している内容が異なる。東京都では5月7日以降は(1)東京都健康安全研究センター、(2)PCR センター(地域外来・検査センター)、(3)医療機関での保険適用検査実績により算出しているが、4月10日~5月6日は(3)が含まれず、(1)、(2)のみ、4月9日以前は(2)、(3)が含まれず(1)のみのデータにより算出しているとある。つまり算出する元々のデータがある時点で異なっているわけだ。そこには検査数を正確に把握するのが大変難しいと言う理由も挙げられるのではないかと思う。

したがって 、PCR 検査数についてその正確さを追求するのはあまり良くないのかもしれない。ただ入手したデータはそれなりに意味があるもので概略の数値としては使える。

そうしてみると、色々な評論家とか医療関係者の方々が 、PCR検査が少ないとか多いとかいった議論をされていたのをも思議なものだと感じる。そんなに重要なら、その数をきちんと把握して公表すべきだとはっきり言うべきだ。結局、この検査数の重要性についての認識が低いということではないか。

現在の日本のPCR 検査数は検査数の能力は3万ぐらいで、毎日の検査数が8000程度なので十分に間に合っていると考えられる。

さらに PCR 検査が徹底していると言われている韓国と比較してみると以下のようなグラフになる。(データはOur World in Data)


 グラフを見てみるとわかるが韓国も相変わらず PCR 検査を実施しているようで、その数と日本のPCR検査数を比較してみても、それほど大きな違いはないように思える。もちろん人口あたりの検査数ということで考えるとかなり差が出てくるが.。

各報道機関が PCR 検査数のこういう状態に関して何もコメントを出していない。しかもウェブサイトにもあまりきちんと表示していないというのは問題ではないのだろうか。報道機関は大半のところがPCR検査数が少なすぎるという報道をしたように思うのだが。


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