2020年9月14日月曜日

人種差別について

 大坂なおみ選手が全米オープンで優勝した。その間、入場するときに使用するマスクに、警官に撃たれて犠牲になった人の名前を入れて、登場した。日本の中ではこうした行動に対して色々批判的な意見もあったと聞いている。私はネット上でも見かけたことはなかったが。


米国で黒人が警官に撃たれて死亡するというのは、今でもよく発生している。だから、警官はひどいというのは、遠い日本に居てあまり実態を理解していない人には、納得の話かもしれない。


しかし、警官側として考えると、犯人として追っかけている黒人がピストルを隠していて、発砲してくる可能性が高いと感じていると、どうしても白人相手よりも発砲してしまう傾向になるのではないか。白人よりも黒人は危険という理由で。


私も一度米国で深夜に車を運転中に、信号無視をしてしまったことがある。その時に、警官に「車から出てこい」と言われて、ピストルを向けられたことがある。その時、ピストルを構えている警官のほうが、何も持っていない私よりもビクビクしていたのを覚えている。私が突然隠し持ったピストルとか、ナイフで襲いかかってくる可能性を考えているのだ。ひょっとしたら、私も間違って撃たれたかもしれない。こういう経験は何度もやりたくない。幸いその時は違反切符も切らずに開放された。


こういう経験をしているので、警官が発砲するというのはある程度やむを得ないことだとも思うのだが、それでもやってはならないことだ。そういうようにわかっていても、発砲することがあるということが恐ろしい事態だ。


そして、そのことに人種差別が絡んできているのが問題だ。白人なら発砲しなかったというのは、かなりの確率で黒人よりも高いのではないか。過去のいろいろの歴史、そして現在でもある貧困レベルの差、人種間に横たわる理解不足など、原因は様々だ。


こういうのを解決するのに、即座に解決という方法はない。私が米国に移民した日本人に話を聞いた時に、「黒人は大変です。奴隷から普通の人になるのだから」という話を聞いたのを思い出す。ちょうど第二次世界大戦から20数年経過した時期に聞いたことだが、日本人移民も人種差別を受けており、まだその差は縮まっていなかったときだ。大戦中は収容所に入れられていた経験がある人なので、人種差別は骨身にしみているはず。


だから、人種問題というのはどうしても時間がかかってしまう。未だに解決されていないし、ひょっとするとずっと続く問題かもしれない。


この人種問題は日本人には全く関係ないと考える人もいると思う。しかし、自分が白人とか、黒人と一対一なり、一対多数で対面した時に、どう感じるか?まずは、そういう経験をしていない人が多いのではないだろうか。外人とは話をしたことも、握手もしたことはないという人も多いはず。そういう人が、外人と対面した時にどう感じるか?


更に言うなら、白人と黒人とに対する嫌悪感とか、好感とかは相当異なるのでは?そして、日本人に対する対応とあきらかに異なるのでは。自分自身、どう感じるか。


私は、黒人も白人も相当の数の人と付き合ってきており、友人もいるのだが、それでも日本人に対応するときとは異なった感覚で付き合っている。


結構海外にも出ていき、外人とはよく付き合っている私でさえ、こうなのだから、あまり外人と付き合うことのない人は、日本人に対するのとは異なった対応をするのではないだろうか。それがやはり、人種差別につながると思う。心の底のどこかに、日本人とは違うなという気持ちがあるから。


黒人、白人で話をしてきたが、我々にはもっと身近に、韓国人、中国人、フィリピン人などの人達がいる。そういう人たちを見るときも、日本人に対応するのとは異なった対応をしているのではないだろうか。するのではないだろうか?


日本人の中にも、はっきりと人種差別の根があるように思う。これを取り払うのは容易なことではない。


私の言いたいのは、だから人種差別は仕方がないことなのだというのではなく、そういう状況を理解した上で、人種差別はいけないなと行動しないといけないということだ。


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