2020年8月19日水曜日

スウェーデンのコロナウイルス対策は成功したのか?

 欧米諸国の中で独特のコロナウイルス対策を実施してきた国がある。スウェーデンである。私は4月頃から注目していた。

そのコロナウイルス対策は、都市封鎖を行わず、緩やかな規制で対応というものだ。一般的には、集団免疫をその方法で獲得していくものと見られていたが、実際にはそうではなかったようだ。

ロックダウンによる弊害を考えて、あえてそれを実施せず、ソーシャル・ディスタンスを取り、50名以上の多数の集まりを行わないといった緩やかな規制で、医療崩壊を回避するというものだった。

失敗は、高齢者施設での死亡者が多く出たことである。この施設でクラスターが発生したことが、多くの高齢者の死亡者を出してしまった。原因は高齢者施設で働く若い人が感染し、それが高齢者の感染者を増やすことになったことだ。現在は、当然のことながら、この高齢者の施設での問題は回避されている。


上のグラフは、いつもどおりOurWorldinDataのサイトから入手したものである。百万人あたりの死者数の推移のグラフで、指数表示のグラフだ。

このグラフを見ると、スウェーデンの百万人あたりの死亡者数は4月中旬以降徐々に減ってきており、8月18日現在では、0.30人になっている。初期の段階で、高齢者施設からたくさんの死者が出たのでという説明がされているが、このグラフを見ると、その後も死者数は激減していないので、一時的に高齢者施設での死者がたくさん出たからという説明は、あまり意味がないように思える。そういうこととは関係なく、やはり緩やかな規制だけだったので、高齢者の死者数は多かったと言えそうだ。

スウェーデンの死者数は、周辺国のドイツ、ノルウェー、デンマークなどと比べると、まだ少し数値は高い。しかし、それらの諸国と肩を並べるのは間近いように思える。

米国や英国と比較すると、数値が格段に下がっているのがわかる。

これらの欧米諸国も規制を徐々にスウェーデン並みに緩めてきており、その影響が今後出てくるのではないかと考えられている。

以上のことを考えると、スウェーデンのコロナウイルス対策は今のところ成功しているように思える。

翻って、日本の状況はと言うと、7月半ば辺りから、死者数は増えてきており、ドイツを抜いてしまった。これを見ると、コロナウイルス恐怖症の人たちから、大問題だと言われそうだ。ただ、8月18日現在で、百万人に0.07人という数字は、大問題と言うには小さすぎる。更に言うなら、日本はスウェーデン並みの緩やかな規制を採っていると言えるので、大きく増える可能性は低い。現在問題になっているように、熱中症の死亡者数のほうが遥かに大きい数字だ。まだまだ暑い日が続くので、熱中症対策をもっと報道する必要があるのではないか。




0 件のコメント:

コメントを投稿

JR東日本がみどりの窓口削減凍結

 この数年だと思うのだが、JR東のみどりの窓口がぽつりぽつりとなくなっていっていた。 JRの切符は、ネットで切符が予約できるようになったので、日本国内で旅行するときにも、みどりの窓口に行かなくてもすむ。 しかし、みどりの窓口でないとだめなこともある。私の場合だと、大人の休日倶楽部...