2018年9月12日水曜日

高級ミラーレスカメラの行く末を考える

キャノンが高級ミラーレスカメラ「EOS R」を10月下旬に売り出すようだ。ニコンもこの9月下旬にニコン Z7を売り出す。

特にニコンはやっと本格的にミラーレスカメラに乗り出したような感じである。
電気会社系のソニーやパナソニックが、ミラーレスカメラに乗り出したのに比較すると、相当遅くに乗り出してきたことになる。

巷では、これを高級一眼レフカメラへの執着というか、怨念と呼ばれている。

カメラ専門のメーカーとしては、今まで培ってきた一眼レフカメラから逃れ出るのが難しかったようだ。

ミラーレスカメラは、一眼レフカメラに比べて、その機構が簡単に済む。いわゆるレフと呼ばれているリフレクションが不要だし、シャッターもメカのものは不要だ。それらの部品を取り除くだけでも、価格も重量も少なくて済む。しかし、価格はどうもそういうことに関係なく上がっているようだが。

ともかく、デジタルカメラになって、カメラは全く以前のものとは違ったものになってしまった。

その第一のものは、フィルムが無くなったことだろう。その代りにCMOSセンサーなどのデジタルセンサーとフラッシュメモリがその役割を果たしている。おかげで、ほとんど写真の撮る枚数を気にする必要がなくなった。1日に1,000枚撮っても全く気にすることはない。メモリーは再利用が可能なので、撮った写真をハードディスクに保存してしまえば、また使える。

フラッシュもそれほど使用する必要がなくなった。人物を逆光の場面で撮ると、顔が黒くなってしまうので、フラッシュをたく場合があるが、殆どの場合は必要なくなった。夜の室内でも、フラッシュの必要は余り感じられない。今後も、センサーの感度は良くなると考えられるので、ますますフラッシュの必要性はなくなると思われる。

シャッター速度も格段に早くなっている。機械的にはできないと考えられる速度のものを、電子的には設定できるのだ。

シャッター音もメカではなく、電子的に出されるようになった。もともとシャッターの機構がないのだから、電子的に作成しないと音は出ない。

こういう事考えていくと、カメラのボディというのは単なる箱になる可能性が高い。ボディだけがあんなに価格高いという理由が見つからない。作る側からすると、箱に撮るためのスイッチが付いているだけで、あとはセンサーとメモリがあればそれで済む。強いて言えば、ズーム機能などはそれを行うための機構が必要だ。

現在、写真のサイズは以前にあったフィルムの形を踏襲しているが、これも代わってくるのではないだろうか。センサーは何もフィルムのサイズである必要はない。外部の光をすべて受け取るとすると、真円の形をしたセンサーが良いのかもしれない。あるいは、センサーの切り取りサイズを考えると、正方形のセンサーが良いとも考えられる。

そういうハード面からの改善もあるが、それよりもこれからは、瞬時に撮った画像をより良く見せるように、その場でいい画像にするというAI技術が幅を利かせてくるように思える。いまでも、スマホで撮った画像はあたかも高級なカメラで撮った画像とは変わらないくらいの写真を提供してくれる。この機能がますます進化してくるのではないかと思う。

例えば現在でも、HDRというのがあり、瞬時に3段階の明るさで写真を撮り、その3枚の写真から写りの良い部分を集めて1枚の写真にするというものだ。これはスマホにも取り入れられている。

この例は割と単純な例だが、カメラに撮った写真の変更をその場で行わせる技術が次々と付け加えられると、素人でもいい写真が撮れることになる。プロの写真家が撮れるような写真が素人にでも撮れるということになる。

そのためにはカメラにスマホ以上の能力を持ったCPU(画像処理コントローラ)が取り付けられて、画像処理を高速にこなせるようにしないといけない。これからはそういうのが高級カメラとして発展していくような気がしている。

更に言うなら、周囲の状況に応じて、画像処理を行っていく能力が必要だ。例えば写真をとる時間が夕方なら、その時間に合わせて、シャッター速度などを変えていくとか、雨が降っているなら、やはりそれに合わせて、雨の情景がうまく撮れる設定を自動的に行うなどというものだ。なるべく、人の手を煩わせることなく、カメラが画像を作っていくということになる。。

これは従来のメカを中心として発展してきたカメラ屋とは全く違う分野の競争になるはずで、それに移行することができなかったカメラメーカーは淘汰されていく可能性がある。

この方向は、今までカメラで写真をとるのに、シャッター速度はどうするとか、ホワイトバランスはどうするとか、いろいろ写真の撮り方にウンチクを傾けていたカメラ愛好家には受けないかもしれないが。

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