AIが発展していくと、人のやる仕事はどんどん減っていくのではないかという話がある。元ネタは2013年のオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授の研究である。それ以降、週刊誌ネタなどでいろいろ記事が書かれている。
確かにAIに人がやっている仕事を奪われるということは、いろいろの場面で発生すると思う。
例えば、コンビニの販売にしても、Amazonが米国で運営しているような無人の店舗などが人の仕事を奪ってしまう例として考えられる。
しかし、コンビニの販売員がいなくなったとしても、そのコンビニが販売している品物の供給は今のところは、人間がやらないといけない。
つまり、今の所AIがやれるところは限りがあり、残りはやはり人間がやらないといけないということだ。そういう状況は今後100年位は続くはずだ。いや。もっと先まで、そういう状況は続くだろう。
我々はAIの進歩を恐れてはいけないと思う。むしろ、その進歩を積極的に利用すると考えたほうが良いと思う。
例えば、将棋が良い例たと思う。AIを使用した将棋はとうとう名人も破ってしまった。最初は、そのコンピュータを使用した将棋に嫌悪感を持った将棋指しはたくさんいたのではないだろうか。そして、名人までも負けてしまったということにがっかりした人は多いに違いない。
しかし、現状を見てみると、そのコンピュータ将棋を覚えて、それを自分の実力の向上に利用した将棋指しがどんどん出現してきている。いま評判になっている将棋の藤井七段は、最初のうちはコンピュータ将棋を使っていなかったと聞くが、今では結構それを利用しているのではないか。あらゆる将棋指しが、その利用の内容に差はあるとしても、使っていることは間違いがない。
AI将棋、つまりコンピュータ将棋が人間を撃破するようになったとしても、将棋指しがいなくなったという話は聞かない。むしろ、そのコンピュータ将棋をどんどん利用する方向に来ている。コンピュータが表示した評価関数は、将棋の実況中継などには積極的に利用されているし、解説者もそのコンピュータ将棋の次の手を参考にして、解説を行うこともある。
さらに、コンピュータ将棋などが採用した新手がでてきており、それを採用する将棋指しも多い。囲碁などでも最初の布石で、コンピュータ碁が多くの場合に採用する布石を採用する人が増えてきたという。
これこそ、AIを人間が積極的に利用するといういい例ではないかと思う。積極的に利用することで、さらなる新しい市場を形成ででき、活性化できるというわけだ。
自動車の自動運転なども今後積極的に開発していくべきAI技術である。単に、人が運転するのを代替するというのではなく、その技術を開発することで、人間が安全に運転するにはどうしたら良いかとか、燃費の良い運転をするにはどうしたら良いかという知識、技術が開発されてくるのではないだろうか。それ以上に我々が思いつかない副産物が出現してくる可能性もある。
AIに仕事を奪われてしまうと行ったネガティブな発想よりも、よりAIを利用して、更にレベルの高い生活を人間が享受できるようにするにはどうしたら良いかを考えていくのが良いと思う。それには、なんでもかんでもAIに関連付けて、仕事をしていくという姿勢が大切なのではないだろうか。
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