(季節性)インフルエンザによる死亡数とコロナウィするによる死亡数とはどちらが多いのか?
これを調べようと思ったのは、コロナウィルスによる死亡は旧来のインフルエンザによる死亡数とあまり変わらないのではないかと考えたからである。もし、そうなら、マスコミなどがコロナウィルスで騒ぎまくっているのはおかしいと言えるのだが。
この視点で書かれたブログを2つ見つけた。
一つは『新型コロナ: 「インフルエンザでも人は死ぬ」との比較』という表題のブログだ。以下のところにある。
https://blogs.itmedia.co.jp/mohno/2020/03/post_9918.html
もう一つは、「2019年のインフルエンザ死者数は3000人を超えている」という表題のブログである。以下のところにある。
https://note.com/geltech/n/n49f508736b94
この2つのブログは、実は結論として全く反対の結論を導いている。
死者数に関しては、インフルエンザの死者数をおよそ1万人とか言っているので、人数に関してはあまり議論にならない。むしろ、2つのブログの意見は、インフルエンザの致死率とコロナウィルスの致死率の予測数値が全く異なっているということだ。
私はコロナウィルスの致死率は、インフルエンザと変わらないのではないかと考えているので、後者のブログの方の意見に近い。
実際にはどうなのか。ネットで調べてみると意外なことがわかった。インフルエンザの死亡者数というのは日本の中できちんとデータが取られていない。と言うか、きちんとしたデータが取りにくいということである。データの取り方は、定点観測という手法を使って、日本全国の5000ヶ所程度の定点(病院など)で行い、その取られたデータを参考にして、全体の数値を推定している。早期にすべての死者数、感染者数を正確に取るというのが非常に難しいということだ。
厄介なのは、インフルエンザの死亡数と言っても、インフルエンザが原因で肺炎を起こして死亡したような場合、それをインフルエンザによる死亡と言えるのかが問題になる。こうした死亡者まで含んだ死亡者を死亡者数として考える考え方があり、それを「超過死亡」という名前で呼んでいる。(現在問題になっているコロナウィルスでも、実際に死ぬのは肺炎になって死ぬというケースが多いようだ。)肺炎で死んだのだから、インフルエンザで死んだのではなく、肺炎で死んだとも言える。しかし、肺炎で死んだとしても、もともとの原因がインフルエンザと考えられるなら、インフルエンザで死んだと考えたほうが良いだろうということだ。それが「超過死亡」の考え方である。
ただ、こういう超過死亡の考え方にも難しい面がある。肺炎で死んだ場合、それがインフルエンザが原因で発生したのか、そうでなくてインフルエンザに起因しない肺炎で死んだのか、明確に分別することは難しい。
いずれにしても、私がインフルエンザの死亡者数など簡単にわかるのではないかと考えていたのが問題だった。死亡者数は、全国的にくまなく精密にデータを取るということは行われていないし、実際にそれを取ろうしても難しい面があるということである。
一応、国立感染症研究所のホームページの中に、昨年から今年にかけてのインフルエンザによる死亡者数がだされている。「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」というやり方で出されたデータである。このシステムで超過死亡者数は早期に(迅速に)推定値として把握できる。以下のところに示されている。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/2112-idsc/jinsoku/1847-flu-jinsoku-2.html
「インフルエンザ関連死亡迅速把握システム」については以下のところに詳しい。
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/inf-rpd/abst.html
ここで得られたデータから、インフルエンザの超過死亡者数は約1万くらいだというデータが得られる。概略の数字だが、当たらずといえども遠からずの数字である。
この数字から、現在のコロナウィルスの死亡者(これも超過死亡である)を見てみると、まだ数百人の段階で、インフルエンザの死亡者数に比較して、格段に少ない。
しかし、このデータは今までのデータで、これからどうなるかは未知の世界に入る。だれも知らないわけだ。
もちろん、こういう場合にヨーロッパやアメリカなどのデータを参考に、コロナウィルスの致死率を算出して、それを使って、今後の日本におけるコロナウィルスの死亡者数を推定するというのもあり得る。
しかし、現在までの日本のデータやアジア諸国のデータなどを参考にしてみると、コロナウィルスの死亡者はそんなに増えないと考えたほうが良いのではないかと考えられる。ヨーロッパやアメリカなどと比べて、死亡者数や死亡率が地域などで格段に差があるのだ。このアジア地域の少ない死亡率を使用して推定するほうが良いのではないか。
たとえヨーロッパのような高い死亡率を使用して死者数を予測したとしても、経済が疲弊することで発生する、自殺やその他の貧困による死亡などの発生を考えると、それに起因する死亡者数の予測のほうが多くなる。
従って、今のような緊急対策を継続していくのは問題だ。長引くほどに死者数は増加する。経済的な原因でどれくらい死亡者数が増えるかは、過去の例から推定できる。しかも、過去のデータを使用して推定した算出が可能で、かなりいい数値を推定できる。
もちろん、コロナウィルスに対する警戒は怠りなく行う必要がある。しかし、上に述べたように極度に警戒している必要はないのではないか。
北海道大学の西浦教授のグループが算出した「日本ではこのまま進むと42万人の死者が出る」という予測がある。このグループのコロナウィルスに関連する統計計算など、今までの貢献は大変なものがある。ただ、この42万人という数字の算出に使われたのは、少し前のデータを使って算出されているようだ。その時より、日本におけるデータもかなり集まってきており、致死率が各国で下がりだしてきている今、もう一度西浦教授のグループに算出をお願いしたい。少し違った結果が出されるのではないか。42万人というデータには色々反響があり、もう算出するのは懲り懲りという気持ちを持っておられるかも知れないが。
以上いろいろ言っては見たが、現在、既に緊急事態宣言が出されている。期限の5月6日まではじっと我慢するしかない。むしろこれに協力して、宣言が早く撤回されるようにしないといけない。外出を控えて、外出したら手洗いや顔洗いを行うことにより、自分自身がコロナウィルスに感染しないように務める。そして、一時的にでも新しい感染者がゼロになるようにして、行政府が早期に緊急事態宣言の終了を行えるようにしたいものだ。現時点においては、それがいつもどおりの生活を早く取り戻す最善の策である。
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