IEEEのSpectrumの表紙に「Ghost Ship」という表題が出ていた。
有名な学会誌のSpectrumに幽霊船はないだろうと思ったのだが、実は無人船のことだった。(写真はSpectrumから流用)
最近は人が運転しない自動車が話題になっているので、人が乗船しない船もあっても良い。これから船の自動運転の技術が開発されるとそういうこともあり得る。
自動運転の船のメリットは、いろいろある。まずは人が船に乗らないので、船に乗る人の人件費が減る。更には、船には人が乗らないので、台所やトイレなど実際に人がいると必要な設備が不要になるし、食料品などの倉庫も必要なくなる。救命ボートなども必要ない。
さらに、乗り心地なども人を考慮しなければ、それほど考えなくてもいいので、荷物が耐えられるような配慮だけですむはずである。
いい事ずくめだが、やはり人がいないということで、いろいろと配慮しないといけないことが増える。
最初に考えたのは、荷物が盗まれるという心配だったが、これは現在のような状況でも、人は輸送船にはそれほど多く乗っていないので、条件はあまり変わらないだろう。盗もうと思えば、今の船でも無人と同じようなものだということである。
当然のことながら、まず必要なのは、無人運転をするための設備、装備である。特に、遠隔操作は高速のデータ転送が可能な電波が届かなくなると思われるので、どういう具合にすれば良いのか。殆どを自動運転で行えるようにする必要がある。海の天候などが影響するとすると、その天気によっては航路を変更することも必要だろう。港に入った時に、航行する船が多いと自動運転も高速通信で港の中から制御するというのも考えられる。
むしろ、船の制御は外から指示を受けられるようになっているので、船が他人に操縦されてしまうという問題がある。他人に船の高校に対する指示を勝手に出されて、船を浅瀬に乗り上げられたり、船を衝突させたりされる可能性がある。この船のネット上のセキュリティは相当高度なレベルで行えるようになっていないと、大変なことになる。
さらに、メンテナンスも考えておく必要がある。長い航行中に何処かが故障したり、船体の一部や、アンテナなどが壊れたりするということはある。こういう場合に、無人なので対応がうまく出来ない可能性がある。これをどのように解決するのか。その船の故障を見つけるというのも、必要になってくる。自動的に毎日ドローンを飛ばして、外部から船体を観察させて、問題がないかを判断するというようなことも必要かもしれない。
当分の間は、こういう船が世界中の海を航行するという状況にはならないと思うが、そうなる時代が来るのは間違いないだろう。そのためには、自動走行の船の海上でのルール等や規約などが世界的に統一して作られないといけない。こういう法規などの整備も必要になってくる。
こうした自動走行の船のビデオがロールスロイスで作られており、Youtubeに流れている。こういう形にはならず、もっと自動化されると思うが、面白いビデオだ。
2017年2月18日土曜日
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