乗り物ニュースというサイトで「海自潜水艦、5分で壊滅? 現実に起きかねない最悪のシナリオとは」という表題の記事を読んだ。
「日本の大半の潜水艦は呉基地や横須賀基地を母港としており、そこを敵国の特需部隊に狙われて、対戦車ミサイルを打ち込まれれば、停泊中の潜水艦は破壊されてしまう」というものである。
これはちょっと無理だろう。
まず第一に日本のすべての潜水艦が同一の基地に集結しているという状態は考えられない。防衛作戦上もそんな状態に潜水艦をおいて置くとは考えられない。
次に、特殊部隊が横須賀基地や呉基地の近くに潜入できるかだが、これもかなりのレベルで難しいのではないか。対戦車ミサイルを持ち込むと言うが、結構サイズの大きいものを持ち込んでくることにも無理がある。特に海外から搬入してくるのは困難だ。さらに、対戦車ミサイルで潜水艦を狙えるかという問題もある。狙いを正確にしないといけないのだが、これも難しいのではないか?赤外線追尾誘導装置をそなえていても、それがうまく機能するという気がしない。他の熱源に反応してしまう可能性も高い。
上の画像はGoogle Mapで見た呉基地の航空写真だが、かなりの艦船が停泊していることが分かる。私は艦船を上から見てもどれが潜水艦かよくわからない。敵はこれをどう見分けるのだろうか?
さらに、潜水艦の魚雷の装填などは外から丸見えの状態で行われていると書かれているが、どこの国の軍港でそういうことをやっているのだろうか?大半の国でも上からは丸見えの状態で潜水艦は置かれているような気がするのだが。米国のサンディエゴでも潜水艦を近くで見ることが出来たが、隠しているような雰囲気はなかった。
そもそも私が敵国のメンバーだとして、仮に対戦車ミサイルを持ち込むことが出来て、標的に近い位置まで移動することが可能なら、潜水艦など狙わない。
狙うのはもっと別のものでしょう。例えば、福井原発とか。確かに、潜水艦の重要性を認識することは大切だ。しかし、この手のゲリラがまず何を狙ってくるのか、その視点が欠けているように思われる。
2017年2月13日月曜日
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